永遠にとりこにさせられる街「京都」

中国国旗

胡 侃欣
(中国)


作者・自宅にて

作者・自宅にて

一番好きな場所・鴨川

一番好きな場所・鴨川

自転車で休むねこ

自転車で休むねこ

京都は特にお気に入りの街です。晴れの日には、天を見上げると、澄み切った青空と大きな雲が広がっています。大都市ですが、高層ビルはなく、三方を山に囲まれ、緑があふれています。街のあちこちにお寺や神社があり、中には樹齢数百年の木がそびえ立っているところもあります。足もとに目を向けると、人懐っこいハトが自由に歩き回っています。そんな静かな時間と空間は、物事をゆっくり考えたり、リラックスしたりするのにぴったりです。

私の一番好きな場所は京都の鴨川です。鴨川は長い川ですが、観光スポットというより、境界のない公園と言ったほうがいいかもしれません。京都はだいたい七条から二条あたりまで賑わっており、自転車で鴨川沿いを通ると、老若男女が好きなことをして過ごす様子を目にすることができます。ジョギングをしたり、犬と散歩をしたり、読書をしたり、ギターの練習をしたり、おしゃべりをしたり、それぞれが誰にも邪魔されることなく自分の世界にひたっています。植物や動物、人が鴨川に集まり、お互いに寄り添っています。人々は鴨川を大切にしていますし、鴨川も静かに人々を見守っています。このような風景はどれだけ見ても飽きることはありません。

私は中国出身のグラフィックデザイナーです。日本のデザインに魅了され、これまでは毎年旅行者として日本を訪れていましたが、旅行者と生活者では目に映る世界が違うと聞き、京都の生活とはどのようなものなのか気になっていました。そこで私は今年から、何度も訪れた京都で日本語を学びながら、ここでの生活を体験してみることにしました。

日本には「一期一会」という言葉があります。これは茶道に由来する考え方で、「一生に一度だけの機会」を意味します。一生に一度しかないと考えて、何事にも敬意を払うべきだという心構えを説いています。例えば、日本の料理は家でもレストランでも、たとえそれが軽食であろうと、美しい器に盛られて出てきます。これは食べ物に対する敬意の表れであり、客人に対しても食べ物の中から敬意を感じとってほしいとの思いが込められています。こうした文化は、ささいな事から満足感を得ることにもつながります。居酒屋の料理は、量がそれほど多いわけでもなく、中には家でもつくれるような庶民的なものもありますが、

寺院で平和を楽しむ

寺院で平和を楽しむ

春の寺院

春の寺院

カゴに入れられたゴミ

カゴに入れられたゴミ

素敵な器に盛られたお料理

素敵な器に盛られたお料理

そこにはみんなの笑顔と人のぬくもりがあふれています。毎年桜の季節になると、みんなで桜の木の下でお弁当をつまみながらお花見をします。食べ物は簡単なものですし、桜の命は短いですが、その中から幸せを感じることができます。

京都の人はとても礼儀正しいです。どこに行っても、「すみません」と「おおきに」を耳にします。遠慮し合い譲り合っているので、みんなが毎日を気持よく過ごすことができます。また、ささいな事にも配慮が行き届いています。登校する小学生の安全を確保するため、交差点には毎朝、学校の先生や地域のボランティアが立っています。建設現場近くの道路には必ず歩行者の安全を確保するスタッフがいます。さらには、駐車場の入り口にまで専属のスタッフが置かれており、嫌な顔一つせずに歩行者や通行車両を確認しています。

京都のデパートは大阪に比べお年寄り向けだと言われることもありますが、確かに京都は高齢者の割合が非常に高い街です。ただ、京都のお年寄りは非常に自立しており、キャリーカートを押しながら街を歩くお年寄りの姿をよく目にします。もちろん、街自体もお年寄りにやさしい工夫がされており、例えば、バスがバス停で停まった時には車体が斜めに傾いて、足腰の悪いお年寄りも楽に乗り降りができるようになっています。これは、ほかの国にはあまり見られない気遣いだと思います。

自分の普段の生活に目を向けると、日本人はきれい好きであるほか、整理整頓が特に好きなように感じます。朝晩には、玄関先で植物の剪定をする姿を目にすることができます。また、お店にはいろいろな用途の収納ボックスが売られています。中国人であればたんすや机の引き出しに直接しまいますが、日本人は、それぞれの形や用途にあった収納ボックスに入れて、それをたんすや引き出しにしまいます。通学の際には、毎日のごみが四角い柵の中に入れられているのをよく目にします。恐らくこれは日本の文化なのでしょう。モノをどこに置くのか、何に入れるのかを意識的に考えています。どうりでトイレットペーパースタンドでさえ数えきれないデザインがあるわけです。

最後に、京都の人は恥ずかしがり屋なように思いますが、お店も同じく、控えめでこじんまりとしており、注意して探さなければたどりつくことはできません。入り口にはのれんが掛けられ、中は見られなくなっており、それがどんなお店なのか外からは分かりません。しかし、勇気を出してのれんをくぐれば、そこには店主のこだわりが詰まった素敵な世界が広がっています。恐らくこれが京都の魅力なのでしょう。

上品で落ち着きがあり、永遠にとりこにさせられる街――それが京都です。

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京都で、自然災害に備えて用心しよう

京都は、外国の人たちが快適で便利に暮らせる、すてきで魅力ある町ですが、その地理的な位置により、地震、台風、地滑り、そして局地的な洪水などの自然災害が、さらに起きる可能性があります。これらの災害には予測 できるものもありますが、その全てを防ぐことはできません。こうした状況の下で、どのように対処するのかを知っていると役に立ちます。

我が身をどう守り、恐らく人助けにもなる、自然災害についての適切な情報を得るため、最善で何より助けになる場所は、京都市国際交流会館、すなわちkokoka (*1) です。この施設は、外国人が日本の生活に順応し、日常生活の諸問題を解決できるよう、一役買っています。次の4つの冊子は、kokokaでは全て無料で入手できるし、皆さんが京都で暮らす上での一助となるはずです。

ハンドブック「京都市生活ガイド」は、日本語と外国語併記の4ヵ国語(英語、中国語、韓国語、スペイン語)で作られ、あらゆる種類の役に立つ情報が満載されていて、全てホームページ(*2) からもダウンロードできます。

「京都市避難所/広域避難所MAP」は市内の各行政区にある安全な場所や避難所が示されています。この地図は、自宅、職場、学校などから近い避難所の場所と、そこに安全に行く方法を、前もって調べることができ、ホームページ(*3)からダウンロードもできます。

5ヵ国語で利用できる便利な財布に入るサイズの「地震・緊急時行動マニュアル」は、何処にでも持って行け、最後のページには、まさかの時に備えて個人情報を記入しておくことができます。京都府国際センターがさまざ まな言語で作成している「防災ガイドブック」は、kokokaや同センターでも手に入るし、ホームページ(*4) からもダウンロードできます。

京都市生活ガイド

京都市生活ガイド

防災関連配布物

防災関連配布物

皆さんがkokokaで周りに目を配ると、そこには役に立つ資料がたくさんあります。でも、ロビーにあるカウンターや他の所に求める物が見つからなければ、情報コーナーのボランティア・アドバイザーか、協会の職員にたずねてくださいね。

さらにkokokaでは、外国人を対象に、自然災害に備えるための防災訓練「kokoka避難所宿泊訓練」などの行事を企画しています。この訓練では、消火器の使い方や応急処置の方法などを身に付けられ、起震車を使って強い地震の揺れを体験できます。イベントカレンダー(*5)では毎月、次のイベントを確認できるし、ここの特別なホームページ(*6)にアドレスを登録すると、携帯電話のメールから英語、日本語、中国語で、災害の最新情報を入手できます。

また、異常気象や天候の急激な変化などは、信用ある日本気象庁のホー ムページ(*7)で見ることができます。私は、この記事を読んだ皆さんが、自然災害に対する準備と、それが起きた時に備えて、自分自身と家族を守 れるよう、時間を割いて学ぶことを願っています。

文: カテリナ・チョルノフォステムコ、カール・ジャンスマ
翻訳:Koh

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kokokaOPEN DAY “Life in Kyoto”
  ボランティアの自主企画「かるたで遊ぼう」予告

こんなゲームをこのように楽しむよ!

ローマ字かるた

ローマ字かるた

日本のカードゲームのなかでは、かるた遊びの「百人一首」がよく知られています。これは、鎌倉時代初期の藤原定家という人が考えたものです。彼は日本の古い優れた100首の和歌(31文字の詩)を選び、京都の小倉山で屏風の色紙に和歌を墨書きして楽しんだのです。やがてこの100首の和歌はカード化され、上の句・下の句を読み上げる読み札と下の句だけをひらがなで書いた取り札が考えだされ、[百人一首]はゲームとして誕生しました。それ以来、このゲームは貴族や武家だけでなく広く庶民が楽しむゲームとなり、中世から近世、現代まで、日本のお正月にはなくてはならない家族ゲームとなりました。今ではプロの競技会もあり、コミックもつくられ、映画 化もされているのはご承知のとおり。実に1000年以上の歴史があるのです!

英語かるた

英語かるた

さて、今年で5回目となる「かるたで遊ぼう!」イベントは、ローマ字の取り札や英訳版のカードを作成し、さらに「坊主めくり」というゲームを加え、外国人、小さな子ども、百人一首を知らない人も共に遊べるように工夫しました。京都大学かるた会のメンバーによる競技かるたの実演もありますよ。

参加希望者は気楽に会場の受付で、どのゲームをやりたいかを申し込んでください!どなたでも、お一人の参加でも大歓迎です!スタッフのお手伝いもあります。

それでは「かるたで遊ぼう!」の会場で待っていますよ!

競技かるた

競技かるた

  • 日時:2018 年11 月3 日(土・祝)
    午前10 時~午後4 時(最後の受付は午後3 時まで)
  • 会場:kokoka 京都市国際交流会館 3階 研修室
  • 参加費:無料

詳しくは:www.kcif.or.jp


柏村 直樹

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京都の「ゆるキャラ」

かみぎゅうくん

かみぎゅうくん

皆さんは「ゆるキャラ」を知っていますか。ゆるキャラとは、自治体、企業、団体などが自分たちに親しみを持ってもらうために広報などに使っているマスコットキャラクターのことです。ゆるキャラは、その姿や形が緩やかで見る人をなごませることから「ゆるいキャラクター」、略して「ゆるキャラ」と呼ばれるようになりました。

全国各地にはいろいろなゆるキャラがいます。kokoka京都市国際交流会館には「ココカ」がいますし、熊本の「くまモン」や千葉県船橋市の「ふなっしー」などは全国的に有名なので、皆さんも見たことがあると思います。そして毎年、全国各地のゆるキャラを集めた「ゆるキャラグランプリ」という人気投票も行われています。ゆるキャラグランプリには、京都からもいくつかのゆるキャラが出場していますが。その中から、上京区の「かみぎゅうくん」をご紹介したいと思います。

かみぎゅうくんは、2009年に上京区の130周年を記念して公募の中から生まれました。上京区には有名な北野天満宮があり、その神様は「天神さん」と呼ばれて親しまれています。そして、天神さんには牛と関係したエピソードが数多くあるという作者の思いから、牛をモチーフにした姿になったとのことです。

かみぎゅうくんは、上京区が主催する様々なイベントに参加するなどして、上京区の良さを広く知ってもらう活動をしています。これまでにも、たとえば「上京区民ふれあいまつり」などのお祭り、上京警察署の交通安全の啓発イベント、同志社大学の行事などに参加して、会場を盛り上げています。その他にも、かみぎゅうくんのイラストが入った交通安全の自由帳(ノート)が上京区の新入学児童に配られたりもしています。

かみぎゅうくん 活動中

かみぎゅうくん 活動中

今年で9年目を迎えるかみぎゅうくんですが、区民にも親しまれていて、イベント会場でも子どもたちに「かみぎゅうくん」の名前を聞くと多くの子どもたちが「知っている」と答えるそうです。ちなみに、10月28日には二条城北小学校で「上京区民ふれあいまつり2018」が行われ、かみぎゅうくんも参加します。

さて、かみぎゅうくんも出場している今年のゆるキャラグランプリですが、投票は11月9日までです。かみぎゅうくんの他にも全国からいろいろなゆるキャラが出場しているので、以下のウェブサイトでぜひ見てみてください。あなたのお気に入りのゆるキャラが見つかるかもしれませんよ。

「ゆるキャラグランプリ」オフィシャルウェブサイト
http://www.yurugp.jp/

鈴木 秀利

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紅葉を楽しむおすすめスポット

小川の中の紅葉

小川の中の紅葉

紅葉のじゅうたんを歩く

紅葉のじゅうたんを歩く

京都に住み始めてからというもの、いろいろな場所へ紅葉を見に出かけました。どこへでも自転車で行けてしまうんですもの。京都は本当にいいところです。

青蓮院や永観堂のライトアップ、嵐山も素晴らしいですが、ここではお金をかけずに気軽にゆっくりと紅葉を楽しめる場所をご紹介したいと思います。

kokoka京都市国際交流会館からも徒歩で行ける南禅寺水路閣。明治時代に作られたレンガ造りの水路は紅葉との相性も抜群です。水路をくぐって左手へ、坂を上がって行きましょう。最勝院高徳庵の横を通りかかると庭園から見える紅葉が美しいです。私はこの道が落葉で赤く染まる、紅葉の終わりかけの時期に訪れるのが好きです。落葉が降り積もってふかふかになった道を歩いて行くと、かさかさと聞こえる音が心地いいです。しばらく歩くと少し開けた場所に出ます。

ここまで来るとほとんど人がいなくて自然を満喫できますよ。空気が澄んでいて、とても気持ちがいいです。更に進んで行くと奥の院に到着します。なんとここには、日本人の私ですら時代劇の中でしか見ることのなかった「滝行(滝に入ってする修行)」ができる場所があるんです!以前、ここを通りがかった時に実際に滝行をしている方がいらっしゃいました。滝に打たれている姿を写真を撮りたいと思いましたがここは聖なる場所。ぐっとこらえました。

そして最後に高徳庵に戻り、紅葉を楽しみます。拝観料は無料なのに、ほとんどの観光客が水路閣までしか来ないので、ゆっくり紅葉を堪能できる穴場コースです。

古園 美樹

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

kokokaオープンデイ2018

オープンデイ2018
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http://www.kcif.or.jp/MMD/accept_mails


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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『みんなの機内 食天空のレストランへようこそ!』

『みんなの機内 食天空のレストランへようこそ!』

機内食ドットコム 著、翔泳社、2018

“機内食”、みなさんもきっと食べたことありますよね。今回はそんな機内食にスポットをあてた本を紹介します。機内食の写真がたくさん掲載されていて、どれもこれも本当においしそうです。日本や世界の航空会社の気合がとても感じられます。なんだかおなかがすいてきました。一度でいいから、ファーストクラスの機内食を食べてみたいです。

『パノラマせかいりょこう』

『パノラマせかいりょこう』(てづかあけみ 作・絵、コクヨ、2017) は、長くのびるジャバラ絵本で、2メートルもあります。

双子の"テテ" と"クク"が世界旅行をするというおはなしです。しかけのドアや窓があるので、開けてみてください。

子どもはもちろん、大人のみなさんにも、絵本に親しんでもらえたらうれしいです。

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

生田 稔 / 岩井 ニコラス / 岡山 和樹 / カテリーナ チョルノフォステムコ / カール ジャンスマ / 金谷 千菜美 / 胡 侃欣 / 古園 美樹 / 鈴木 翔一朗 / 鈴木 秀利 / 谷口 千智 / 藤田 リサ / 古田 富好 / 八木 俊幸 / 湯澤 公朗 / 林 秀鳳

この号の編集に際し、田中裕基様、柏村直樹様にご協力をいただき、ありがとうございました。

WEB版作成

鈴木 秀利

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