日本の自然がかける魔法

ウクライナ国旗

カテリナ・チョルノフオステムコ
(ウクライナ)


筆者

筆者

日本に来るずっと前、私は日本の自然をスタジオジブリの映画「もののけ姫」や「となりのトトロ」、「千と千尋の神隠し」などで見て、その美しさに感嘆しました。魂が宿っているかのような深い妖精の森、静かな庭園や公園は、私にはなにか手の届かない魔法のようなものに思えました。自然は日本文化の重要な部分であり、日本の人々の日常生活の中で大きな役割を果たしていることが、この時すでに私には分かっていたのです。

家族と日本に来た時、日本の自然は日本の人々の手によって注意深く育まれたのだということを確信しました。そしてそれは本当に、私がアニメ映画から想像していたようなことでした。古都であり日本の魂である京都に、直接来たことも幸運でした。京都は過去と現在、自然と人間の営みとをつなぐ、古い橋なのです。

柿

私たちは7月の終わり、最も暑い時期の始まりに京都へやって来ました。この記事を書いている今、私はやっとほぼすべての季節を体験できました。自然を見て、聴いて、嗅ぐことのできる場所が京都にはたくさんありますが、私にとって一番心に残った自然の季節ごとの出来事と、最も印象的だった場所を簡潔に書かせていただきます。

まずは、最も鮮やかでカラフルな秋からです。秋の京都は、銀杏の葉の黄色や、小さな紅葉の赤紫色、濃い赤色をまといます。秋の半ばは、オレンジ色のおいしい柿の熟してくる頃です。柿の実は木の枝に長い間ついており、木から葉が全てなくなってしまっても残っています。柿が最も魅力的に見えるのは、この時です。

ウクライナの国旗

ウクライナの国旗

10月の終わり、とても有名な紅葉の季節が始まります。濃い赤色になっていく紅葉の小さな葉っぱを愛でる時期です。この頃、京都の町はまるで赤紫色の葉の川に浸っているみたいです。この時期でいちばん印象深く心に残っているのは、夕方遅い時間に叡山電車で鞍馬へ行き、そこで線路沿いにライトアップされた紅葉を見たこと、そしてもうひとつ、ロープウェイで比叡山の頂上まで行ったことです。頂上からは琵琶湖も見えました。頂上の駐車場では、珍しいことに、一台の車の中にウクライナの国旗があるのを目にしました。とても驚きました!

京都の冬は、私の母国ウクライナと比べると、とても温暖です。ウクライナでは冬の気温はマイナス15℃になることもあり、時にはマイナス25℃にもなります。雪が2メートル積もることもあります。ですから、私にとって京都の冬はウクライナの晩秋のような感じです。

冬の一番の思い出は、古い“嵯峨野ロマンティックトレイン”(嵯峨野トロッコ列車)に乗って、嵐山から亀岡まで行ったことです。列車は保津川沿いを通りました。川は鮮やかな濃い青緑色をしていて、葉が完全に落ちた木々を背景にしている時、特にそう見えました。また、宝ヶ池公園で過ごす冬の夕方、空が薄いピンク色になり、鹿が人を恐れず自由に歩き回っているのも気に入りました。

花見の季節

花見の季節

春の訪れとともに、人々はみな大事なイベントを楽しみにしています。花見と呼ばれる、桜の花の見物です。これは本当に美しい眺めで、京都の町が桜の花々で覆われてしまったかのようです。川沿いに、そして公園の中やお寺の上に、たくさんの雪が降ったようにも見えます。しかし花見の期間はとても短く、たった2 週間ほどで終わってしまいます。穏やかな天候の時、桜の花びらが落ちる速さは、平均で1 秒間に5㎝だそうです。私はそれをコミックス・ウェーブ社の有名なアニメ映画「秒速5センチメートル」で知りました。少しもの悲しさを感じ、過去を思い、そして人生のはかなさについて考える時間です。

春の終わりと夏の始まりには、また別の興味深い自然現象があります。珍しい虫、蛍が現れることです。あたりが暗くなってくる午後8時以降、清らかな小さい川沿いで、私は蛍の緑色の光が舞い散るところを見ることができました。kokoka の「京都案内倶楽部」のボランティアの皆さんには、“哲学の道” など、蛍が見られる最高の場所を教えていただき、感謝しています。

このように、京都では一年を通して、ほかにはない特色をもつ自然の出来事や現象がたくさんあるのです。

人生の騒がしい日々の中で足を止めて、この古い町をもっと近くで見、この町について考えてみてください。京都はあなたとだけ共有できる秘密を、たくさん教えてくれますよ。

日本語訳:藤田 リサ

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京都市で自転車保険加入が義務になりました。

京都市で自転車は便利な乗り物で、学生を始め多くの市民が利用しています。自転車についてのこれまでの問題は、乗捨てや駐輪場がないなどでしたが、市は条例を制定し対策してきました。更に今年の4月には自転車に乗る人に保険への加入を義務化しました。この背景は、自転車事故が全体としては減っていますが、人に対する事故と物に対する事故については減少しておらず、2016年には歩行者との事故が、69件も報告されています。事故の賠償金については1 億円近くに達する例もあり、多大な負担になります。保険に加入しなければならない人は京都市で自転車に乗る全ての人で、子どもであろうが観光客であろうが対象になります。

保険については、賠償金や掛金で色々な種類があり、自転車に乗る人の事情に応じて選べます。これらについては京都市のサイクルサイト(*) が参考になります。今回の義務化では罰則はありませんが、事故を起こすと、たくさんのお金を払わないといけません。思いもしない多額の負担にならないように、自転車保険への加入をおすすめします。

*Kyoto-bicycle.com

古田 富好

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日本で料理する理由は何でしょう?

日本には、美味しいレストランがいっぱいあり、京都には多くの特色ある店があることは同様です。もったいないようですが、もし京都で生活しているならば、大抵の食事をご自身で料理するのが良いと思います。自分的には、京都に住みながら家庭で料理をすることで多くのことを得ました。多くのお金が節約できることに加えて、昔からの日本の食材を上手に料理する方法を習ったし、日本文化の別の面を経験しました。

日本で料理をしていて、隠れた宝物を見つけました。この食材は一見すると、それほど美味しそうではありません。しかし、一旦それらの下ごしらえの方法を知ると、普通の野菜と全く同じです。この記事には、蒟蒻(こんにゃく)、大根、蓮根(れんこん)を紹介します。これらの食材は、不格好なのですが、とてもヘルシーです。蒟蒻は、殆どカロリーがなくミネラルとビタミンが豊富にあり、格段にヘルシーです。蒟蒻を料理するときには、私は、生臭さを消すために水で洗い流してから2分間沸騰させます。大根と蓮根は、苦味をとるために5分間、水とみりんを合わせたものに漬けます。こうして処理した食材のそれぞれが、スープやシチューや炒め物にとてもあいます。

親戚と一緒に八ツ橋作り

親戚と一緒に八ツ橋作り

私は、通常はアパートで自分で料理しますが、友人や日本人の親戚と料理しているときは、最高の思い出になります。異なった文化を持つ人と料理するのは特別な感じがあります。なぜなら、たくさん勉強できるからです。私は、同僚と肉をグリルし、友人と料理し、八ツ橋(伝統的な京都の菓子)の作り方を親戚に教えました。これらは、一生、心の中で大切にしていく経験です。

皆さんに、京都の料理をやってみようという気になってもらえるよう、願っています。京都の不思議な食材と忘れられない経験を利用してください。もちろん、もっと多くの日本の食材と美味しい料理が見つけられるのを待っています。皆さんに食の旅を始めてもらうよう、簡単ですが、伝統的な日本料理を紹介します。味噌汁です。

記事でお話した材料

記事でお話した材料:
蒟蒻(左), 蓮根 (右), 大根 (上)

味噌汁

●材料(4カップ)

昆布・・・・・約10cm の長さのもの1〜2枚
 かつお節(削り節)・・・・・20〜30g
 水・・・・・・・・・・・・・4 1/2 カップ
 味噌・・・・・・・・・・・・大さじ 2
 ワカメ・・・・・・・・・・・100g
 油揚げ・・・・・約2cm の長さのもの120g


●作り方

出し汁

  1. 鍋に水を入れます。昆布を濡れたペーパータオルでふいて、鍋に入れます。これを中火にかけて、沸騰する前に昆布を取り出し、火を消します。
  2. 水1/4 カップを鍋に入れて、かつお節を加えます(*1)。
  3. かつお節が鍋の底に沈んだら出し汁を目の細かいザルかペーパータオルでゆっくりこして鍋に戻します(*2)。
出来上がり!

出来上がり!

味噌汁

  1. 作った出し汁1/3 カップと味噌を別のボールで混ぜて溶かします。これをかき混ぜながら出し汁に加えます。
  2. そして、油揚げ(*3)、ワカメ(*4)を加え弱火で8分煮ます。
  3. 出来上がりです。

注釈

  • *1:水が熱すぎると、かつお節から強い魚のにおいが出てしまいます。
  • *2:出し汁は冷蔵庫で3日間保存できます。出し汁は日本料理の基本です。
  • *3:油揚げは余分な油を抜くために、使う前に上からお湯をかけます。
  • *4:昆布とワカメは、沸騰させると味がおちます。

岩井ニコラス

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野球で国際交流 ネパール野球ラリグラスの会

ネパール野球
ネパール野球

皆さんは野球をしたことがありますか。日本では野球はとても人気があり、大人も子どもも多くの人が野球をしていますし、プロ野球もあります。しかし、世界的に見ると野球があまり知られていない国も多いです。ネパールもそんな国のひとつですが、そのネパールで野球を通じた国際交流を行なっているNPOを紹介します。

「NPO法人ネパール野球ラリグラスの会」(以下、ラリグラス)は1999年に活動を始めました。メンバーは全て無給のボランティアです。活動のきっかけは、大学のネパールでの海外研修でした。ある日、研修でネパールに行った学生がキャッチボール(*1)をしていると人々が集まってきて、彼らを珍しそうに見ていました。不思議に思った学生が調べてみると、ネパールには野球が知られていないことが分かりました。野球が身近にある日本で育った学生たちにとって、野球が知られていない国があることは大変な驚きでした。そこで、彼らは野球を通じてネパールの人と交流がしたいと 考え、ネパールに野球を紹介する活動を始めました。

ネパールの国家代表チーム

ネパールの国家代表チーム

最初は学校で子どもたちに野球を紹介することから始め、そこでは「これがボールです」といった道具の説明から始めました。それから長年に渡り、野球道具を集めてネパールに寄付したり、ネパールで野球教室や野球大会を開催するなどいろいろな活動をしてきました。その結果、ネパールでも野球をする人たちが少しずつ増えていきました。そして、2010年にはネパール人初のプロ野球選手が日本のプロ野球独立リーグ(*2)のチームに入りましたし、2011年には、ネパールの国家代表チームが国際大会に初出場するまでに発展しました。ただし、ネパールでは野球をする環境が整っているわけではありません。ネパールには野球のグラウンドは無く、普段は牛や人も通る空き地で野球をしています。

ラリグラス

ところで、ラリグラスの活動理念は「協働」です。一方的な支援ではなく、ネパールの人と共に学びあう活動を目標としています。これまでも多くの日本人がネパールに行ってネパールの人たちと野球をしましたし、2014年にはネパールの子どもたちが日本に野球をしに来たこともありました。国際交流にもいろいろな方法がありますが、ラリグラスのようなスポーツを通じた国際交流も面白い取り組みだと思います。

さて、ラリグラスでは、一緒にネパールの野球を応援してくれる人を募集しています。ラリグラスについてもっと知りたい方は、以下のホームページをご覧ください。

◆ラリグラス公式ホームページ http://www.nepalbaseball.net/

*1 キャッチボール:ボールを投げたり捕ったりする練習
*2 独立リーグ:NPB(日本のトップリーグ)など上位のレベルのリーグを目指す選手たちがプレーするプロ野球リーグ

鈴木 秀利

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楽しい古本市

古本市の様子

古本市の様子
古本市の様子
古本市の様子

京都に住むようになってしばらく経った頃、ふと本が身近にあると感じました。京都には古本屋さんや図書室が多く、本を手に取る機会が増えたのだと思います。京都には昔ながらの古本屋さんもたくさんありますが、若い店主さんが作った思い切ったセレクトのお店も増えつつあり、本好きの人たちを楽しませてくれます。そしてあちこちで古本市が開かれています。一番有名なのは年に何度か開かれている「古書まつり」です。

2018 年は8月11日から16日まで下鴨神社糺の森で「下鴨納涼古本まつり」が、10 月31日から11月4日は百万遍の知恩寺境内で「秋の古本まつり」が開催されます。

古本まつりでは小説だけではなく、雑誌や写真集、古い絵葉書や古地図なども売られていて、海外からの旅行者にも人気が高いそうです。子供向けのコーナーもあって、絵本や字の大きい読みやすい本が集められています。簡単な日本語から本を読むことに挑戦したい人はきっといい本を見つけることができると思います。私は先日開催された「春の古書まつり」に行って来ましたが、以前より英語や中国語、フランス語などの海外の言葉で書かれた本が増えているように感じました。母国の本を見つけて懐かしむこともできますし、日本の文化を本を通して感じることもできます。糺の森や知恩寺など、歴史的にゆかりのある場所を楽しむことができるこの催しをどうぞお見逃しなく!

 

古園 美樹

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

「Enjoy 自転車 life in Kyoto」

中国語版

中国語版

英語版

英語版

kokokaは自転車ついてのルールやマナーをまとめた冊子(英語・中国語)を京都市と作成しました。kokoka館内で配布していますので、ぜひ読んでください。

4月からは自転車保険への加入が義務となりました。乗り方の正しいルールを知って安全に自転車を利用してくださいね。


「京都市総合防災訓練2018」

9月1日に京都市の防災訓練があります。皆さんも参加して、災害に備えましょう。

詳細と申込みはHPから!
http://www.kcif.or.jp/HP/jigyo/saigai/jp/bousai/top/bousai.htm

起震車体験

起震車体験

救助訓練

救助訓練


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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『京の工芸ものがたりKYOTO ARTISANS』

『京の工芸ものがたりKYOTO ARTISANS』

澤田美恵子 文、理論社、2015

この本では、京漆・花かんざし・香木・西陣織などの京都の工芸品が紹介されていて、それら工芸品を守り抜く職人たちの物語も描かれています。ひとつひとつ丁寧に作られていく京都の工芸品の伝統が、これからもずっと受け継がれてほしいですよね。ちなみに、一つの花かんざしが完成するまで、三ヶ月から半年かかるそうです。すごい!恐れ入りました!

『Japan's World Heritage Sites』

『Japan's World Heritage Sites』(ジョン・ドゥーギル 著、Tuttle、2014) は、日本の世界遺産17ヶ所が紹介されている写真集です。つい見とれてしまう、とても美しい写真がたくさん掲載されていますよ。また、詳しい情報や歴史も書かれていて、日本の世界遺産を理解するのにぴったりの一冊です。

ぜひ図書室へ見にきてくださいね。(※文章は英文のみ)

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

生田 稔 / 岩井 ニコラス / 岡山 和樹 / 金谷 千菜美 / 胡 侃欣 / 古園 美樹 / 鈴木 翔一朗 / 鈴木 秀利 / 谷口 千智 / 藤田 リサ / 古田 富好 / 八木 俊幸 / 湯澤 公朗 / 林 秀鳳

WEB版作成

鈴木 秀利

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