イタリアから愛をこめて:
京都で出会った、イタリアと日本の文化

イタリア国旗

フェデリカ・ズガルビ(イタリア)


清明神社にて

清明神社にて

蝶々夫人のポスター

蝶々夫人のポスター

むかしイタリアに小さな女の子がいました。彼女はボローニャの出身でした。彼女は、パスタ・アル・ラグを食べ、クリーミーなティラミスに度々、熱中していました。1980年代にイタリアでとても人気があった、池田理代子が描いたアニメ「ベルサイユのばら」を毎日見ていました。その小さな女の子は、そのアニメの詩のような美しさに、とても感動していました。その少女は、わたし・・・。

私は、幼い頃に日本に親みました。「ベルサイユのばら」が日本との、最初で偶然の出会いでした。魔法のような雰囲気がある日本を舞台にしたプッチーニ作のイタリアオペラ「蝶々夫人」とは、2番目の出会いでした。

約20年、時を進めると、私はソルボンヌ大学で学ぶためフランスに引越し、そこでカント倫理学の博士号を取りました。パリでは、鈴木大拙*師の「禅と日本文化」や「無心ということ」などの著書を読んで、禅の考え方について知りました。私はそれに夢中になりました。そして、その時に私は、イタリアの人たちが日本文化の中心だと理解している、京都への移住を決心しました。

京都に着いてから、私は日常の生活習慣に少し困っていましたが、kokoka京都市国際交流会館(以下、kokokaと言います。)が用意している無料の相談や情報提供、例えば社会保険や年金、そしてビザ等についての助言が、私にとって、とても良い手助になりました。これが私を元気づけてくれました。

私は心理カウンセラーなので、人々が家族の間とか仕事場での揉め事について、自分の気持や悩みを率直に伝えることができる相談サービス**を始めました。私の手法は、精神分析学からヒントを得ていて、薬ではなく話し合いながら、人を支える事を目標にしています。この方法は、日本では一般的ではありません。そしてこの経験が、たくさんの初対面の人たちを知り、文化交流の意義を理解するために、私を助けてくれました。kokokaはまた、文化紹介講座「COSMOS」で、日本文化に深く関わるための機会を、私に与えてくれました。京都の画家である今井康雄先生が、優雅な牡丹図や穏やかな印象の墨絵等の日本画を、私に紹介してくれました。私はまた、柔らかな感じがする友禅の絹織物や源光庵の円い窓から見える、ハッとするような素晴らしい景色、そして龍安寺の天井画の美しさ等の良さが、少しずつ分かるようになりました。

団体「レオナルド・ダ・ヴィンチ」のロゴマーク

団体「レオナルド・ダ・ヴィンチ」のロゴマーク:

日本画の技法で描かれた、ダ・ヴィンチの肖像画
【企画】フェデリカ・ズガルビおよび今井 康雄

現在、私は立命館大学でイタリア語とその文化を教えています。私は、最近になって「レオナルド・ダ・ヴィンチ」***と呼ばれる団体を創りました。その団体は、研修会や授業、そして美術館や学校などでの、イタリア文化に関する活動計画の促進を目指しています。また、イタリアやその文化に興味を持つ、あらゆる団体や人々との協力関係を築いていくつもりです。なお、私たちは今井先生と協力して、一連の絵本を読み聞かせるイベントを創りました。その催しは、2016年11月19日に神戸の兵庫県立美術館で、2017年3月5日には山口県立美術館でイタリア文化会館大阪の後援による「ポンペイのローマ壁画」の展覧会の時に開かれ、もう一つは、2017年3月29日に大阪府のゆたか幼稚園で、日本語とイタリア語で開催されました。これまでにも、この団体は祇園にある画廊「京都祇園う月」と共同の催しを始めています。私は、このような仲間同士の結び付きが、これからも増える事を、心から願っています。

鴨川にて

鴨川にて

話は変わりますが、私は最近、kokokaで月に2回、土曜日の午前中に「COSMOS」講座の運営を始めました。私は、参加者にイタリア語とルネッサンス絵画を紹介しています。その授業中に毎回、私の故国イタリアの文化に興味を示す生徒たちに会えるのが嬉しく、彼等の傍にいる事が、運が良いと私に思わせてくれます。結論として、京都は新しい知識を交換し、手に入れる、多くの最高のチャンスを私に与えてくれました。その事に、私は大変感謝しています。初めて日本文化、特に仏教の禅思想に出合って、私は、とても特別な気持になりました。そして、日本に住みながら、その気持を確な物にしました。ここ京都で、今まで経験した事のない、胸躍らせる新しい世界、文化紹介講座「COSMOS」を、私は見つけたのです。だからこそ私は、京都で暮らして行く事にしました。これからも、ずっと・・・。

* 鈴木 大拙(1870 – 1966)文学博士・仏教学者英文の著作で、日本の禅を広く海外へ普及させた。「禅学入門」他、著書多数。
**「カウンセリング」についての詳細は、下記をご参照ください。
https://listeningtotheotherkyoto.jimdo.com/ または、fedemorale@hotmail.com
***「レオナルド・ダ・ヴィンチ」についての詳細は、下記をご参照ください。
https://davinciatelier.jimdo.com/ または、fedemorale@hotmail.com

翻訳:Koh

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ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川

~京都で感じるドイツ文化~

外観

外観

白ヴルスト

白ヴルスト

ゲーム

ゲーム

京阪・神宮丸太町駅から鴨川沿いの川端通りを北に進み、荒神橋を過ぎると、右側に緑色の看板と、レンガ造りのような独創的な建物が見えます。ここが今回ご紹介する、「ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川」です。

この施設はドイツの文化機関として、日本では東京・横浜・大阪とともに設置されていて、ドイツ語の普及促進とドイツの文化の紹介を目的として、ドイツ語教室や図書室の開放、さまざまな文化イベントを行っています。

京都の施設の特徴としては、ドイツの芸術家を3ヶ月日本に招き、日本に滞在しながら創作活動をおこなう機会を提供する、「アーティスト・イン・レジデンス」というプログラムをおこなっている点があげられます。

取材した日はちょうど言葉遊びゲームの体験イベントがあり、私も参加してきました。この日の参加者は私含め9人の日本人で、進行役のドイツ人の研修スタッフが全てドイツ語でルール説明を行い、施設の担当者が日本語で解説をしてくれました。

この日のゲームはアルファベット1文字が書かれたカードを並べて単語を作り、どんどん並べていくゲームでしたが、ドイツ語初心者の私でも辞書を片手に手持ちのカードで出来る単語を調べたり、並べる場所を考えたりとすっかりのめりこんで、とても楽しむことができました。

こういったイベントやドイツ語教室などを通じて、日本人だけでなく多くの国の人にドイツのことをより知ってもらうための活動を行っている、とのことでした。

施設内にはランチ、ディナーが楽しめる「カフェ・ミュラー」もあり、本場のドイツビールやソーセージなどを味わうこともできます。

京都にいながらドイツ文化に触れられる「ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川」で、多文化交流を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ホームページ : www.goethe.de/villa-kamogawa(ドイツ語)
電話番号 : 075-761-2188
メールアドレス : info@villa-kamogawa.goethe.org
住所 : 京都市左京区吉田河原町19-3

丸山 徹(まるやま とおる)

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貴船へ行ってみませんか

参道石段

参道石段

川床

川床

神話と歴史のふるさととして知られる京都は、毎日祇園・八坂神社を中心に国内外の観光客で賑わっています。しかし、京都の繁華街よりも、京都に来てから初めて京都のことが好きになったきっかけといえば、自然をたっぷり楽しめる貴船です。貴船は、人気の観光スポットである伏見稲荷大社と同じく簡単に電車で行けるところです。

叡山電車沿線の景色を満喫するため、ぜひ展望列車「きらら」に乗ることをお勧めします。大きなガラス窓越しに、春に桜、夏に緑、秋に紅葉、冬に雪、四季折々の風景を楽しめます。鞍馬線で貴船口駅を降りたら、京都バスで貴船神社へお越しください。貴船神社では、写真を撮るカメラマンや観光客が参道で佇む光景がよく見られます。それは、とても有名な参道石段です。夏に、石段の両側に立てられる朱塗りの灯籠が美しく緑に映えます。秋や冬にも、ライトアップされ、貴船を一層彩ります。

貴船神社は、本社、中宮(=結社)及び奥宮の三社に分かれています。水を司る神様「たかおかみのかみ」を祀る本社には、有名な水占いおみくじがあります。広場の片隅に「神水」と呼ばれる湧き水があり、おみくじを神水に浸すとおみくじの紙面に文字が浮き出てきます。面白いことに、おみくじのQRコードを読み取れば、4ヵ国語の翻訳文が表示されます。なお、本社には、絵馬発祥の社と書かれた立札が立っています。

それに、中宮には縁結びの神「いわながひめ」が祀られ、平安時代の女流歌人である和泉式部が夫との復縁祈願のため、参詣したことで有名となりました。そこには、普通の白いおみくじと違って、緑のおみくじがあります。

なお、奥宮はパワースポットとして有名、その本殿の下には龍脈*があるといいます。そして、奥宮にはもう一つの顔があります。丑の刻(午前1時~3時)に、神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち込むという、日本古来の呪術である「丑の刻参り」ゆかりの場所というものです。マンガで読んだ呪術シーンが実在するなんてドキドキするのではありませんか。

ちなみに、貴船は「京の奥座敷」と称される避暑地として知られています。貴船には特別な夏の風物詩があります。毎年6月〜9月には川床で涼を求めて、川床料理を楽しむほか、流しそうめんも大人気です。値段は安くないですが、めったにない体験なので、ぜひお試しください。

* 龍脈:地中を流れる気のルートのこと。

林 秀鳳(リン シュウホウ)

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外国人観光客に教えられる日本

大文字山

大文字山

日本を訪れる外国人観光客はここ数年増え続け2016年は2400万人にも達しました。そう言えば、京都でも日本でも至る所で外国人を見かけます。8月16日に行われる有名な五山送り火の舞台の一つである大文字山へも沢山の外国人が登るようになりました。

ある夏の昼過ぎ私が銀閣寺の横を歩いていたときに、外国人の娘3人1人がポルトガル、2人がイタリアからの観光客)に、送り火がある所へはこの道を登ればたどり着けるのか、と通りすがりに聞かれました。私は1時間あれば十分その場所に行けると答えました。たまたま私も登るところで、娘達に合流するはめになりました。

ポルトガル娘はポルトガルと日本との歴史をよく知っていました。彼女は、1543年における日本の種子島へのポルトガル人による鉄砲伝来を話しました。日本に初めて欧米人がやってきたのは、その時とされています。ポルトガル人は恐らく鉄砲を売買したいが為に日本に来たのでしょう。彼女は、日本人に初めてキリスト教を伝えたフランシスコ・サビエル宣教師のことも話しました。宣教師は、鹿児島出身のヤジロウの案内で鹿児島に上陸し、京都にさえも来ました。洛中洛外図の一つには、南蛮寺(キリスト教会)が描かれており、如何に人々に影響を与えたかが分ります。宣教師が日本を訪問した後、カルタ・カステラ・カッパ(合羽)などのポルトガル語は、今なお日本社会で使われています。

日本とポルトガルとの歴史を話しているうちに大文字山の火床に到着しました。送り火のとき、この一帯で薪に点火するのだ、と説明すると娘達は大喜びしました。すると、ポルトガル娘はリュックを降ろして何やら機械の組立を始めました。「何をしようとしているのか」と私が聞くと、「ドローンを飛ばすのよ」と彼女は答えました。「日本は厳しいドローン飛行規制があることを知っているか」と話すと、"I know"と返事があり、「人がいるときは飛ばさないわ」と付け加えた。その日は豪雨の後だったので、そこには鹿とトビしかいませんでした。つまりドローンを使う絶好の機会でした。ドローンは大文字山を縦横に飛び、景色を動画に撮れたようで、彼女は満足そうでした。彼女がドローンを飛ばしているときに、2人のイタリア娘には、見晴の良いところから御所や大阪を指さして説明しました。彼女達は全く興味なしでした。替わりに、夕陽を見れるかと聞くので、私は“Yes”と答え、「この山々は東山と呼ばれ、日本語の東とはeastの意味で、我々は西斜面に立っています。晴でもあり夕陽はバッチリ見れます。」と説明しました。それを聞いて、彼女達は手を叩いて喜び、日焼けローションを塗り日光浴を始めました。私は、日没まで付き合えないので、楽しんで下さいと告げて、下山し家路につきました。

京都で外国人と私が体験したことを是非、覚えておいて下さい。彼らと話し交流することで、これまで知らなかった日本についてもっと学ぶことができます。更には、彼らの興味を知ることができ、彼らがとても興味を持つ話題である日本とその文化について話すことができます。これは外国人に友人として接し、付き合いを互いに楽しむのに役立ちます。

古田 富好(ふるた とみよし)

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京都の冬の風物詩「大根焚き」

大根焚き千本釈迦堂にて

大根焚き千本釈迦堂にて

寒い冬が始まっておでんが恋しくなる季節になりましたね。私はおでんの大根が好きなのですが、皆さんはいかがですか?京都では冬に「大根焚き」という行事が行われます。

大根焚きとは、諸病封じ、健康増進を祈願するため京都の寺院で行われる年中行事のことです。日程や由来はお寺によって異なっています。今回は12月と1月に行われる「大根焚き」を表で紹介したいと思います。

寺院名 日程 由来など
三寳寺 12月2日~3日
(1月第1土曜・
翌第1日曜)
日蓮大聖人の忌日にあたることから報恩法要(御会式)が執り行われます。
千本釈迦堂
(大報恩寺)
12月7日~8日 お釈迦様が、さとりを開かれた日にちなんで行われ、諸病封じ、健康増進を祈願する行事です。
了徳寺 12月9日~10日 親鸞聖人が愛宕山・月輪寺からの帰りに立ち寄った際に村人が大根を煮てもてなしたのがはじまりです。
妙満寺 12月10日 千本釈迦堂の大根焚きと同じです。
鈴虫寺
(華厳寺)
12月23日~24日 お地蔵様へ一年間の感謝と来年の無病息災を願い「納めの地蔵」法要が開催されます。
蛸薬師堂
(永福寺)
12月31日 行く年の無事に感謝し、来る年の除災招福を願い開催されます。
法住寺 1月14日
(1月15日に近い日曜日)
1年の無病息災を願いお不動様に祈願を込めた大根焚きが振る舞われます。

皆さんの住んでいるところの近くのお寺はありましたか ? 是非一度足を運んでみてくださいね。

金谷 千菜美(かなや ちなみ)

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

子育てステーションホッとチャット
クリスマスお楽しみ会 ~ kokoka にサンタがやってくる!~

クリスマスお楽しみ会
  • ◆日時:12月16日(土)午後2時〜4時
  • ◆対象:子育て中の外国人、日本人
    (こども0〜5歳、きょうだいの場合は5歳以上でも参加可)
  • ◆定員:20組(事前申込み必要)
  • ◆費用:おとな 200円 こども 無料
  • ◆場所:kokoka 京都市国際交流会館 3F研修室
  • ◆申込:(公財)京都市国際交流協会
  • ◆TEL:075-752-3511

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『英語訳付き 日本料理 むきものハンドブック』

英語訳付き 日本料理 むきものハンドブック

島谷宗宏 著、
誠文堂新光社、2015

ー むきもの ー 。日本料理に出てくる飾り切りの食べ物のことです。主役の料理を引き立たせる美しい存在で、食べる前にゆっくりと鑑賞したくなります。その飾り切りにスポットを当てたこの本では、野菜・くだものを使った約50点のつくり方を、写真つきで紹介しています。

みなさんも料理人になった気分で飾り切りに挑戦してみてはいかがですか。

オノマトペ

「ウトウト」、「サクッ」、「メソメソ」...。日本語のオノマトペ(擬音語・擬態語)は多いと言われていて、実際、会話の中でもたくさん使っています。みなさんはそのオノマトペをどれだけ知っていますか。『オノマトペラペラ ー マンガで日本語の擬音語・擬態語 -』(水野良太郎編、東京堂出版、2016)で、オノマトペをたくさん学んで使いこなしましょう。

マンガで紹介しているので理解しやすいと思います。

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

生田 稔 / 金谷 千菜美 / 鈴木 秀利 / 藤田 リサ / 古田 富好 / 丸山 徹 / 湯澤 公朗 / 林 秀鳳 / Karl JANSMA / Nicolas IWAI

今号のネイティブチェックにご協力いただいた八木 俊幸氏に感謝を申し上げます。

WEB版作成

鈴木 秀利

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