京都の思い出

イラン国旗

ハディ・アレフィ(イラン)


ハディさん(写真右)

ハディさん(写真右)

私は今でも、日本に来た日のことを覚えています。それは2015年の6月で、未来のことに胸を躍らせていました。博士課程を修了後、京大理学部化学研究室で3年間のポスドク(博士研究員)の仕事を始める頃のことです。私はずっとそんな体験をしたいと思っていました。履歴書に「最高レベルの大学で働いたことがある」と書けるのは良いことだと思いました。日本でもっとも素晴らしい街のひとつに、長期間暮らして、文化、技術、あるいは日本人が生活するうえで守っている厳格なルールといった、あらゆることを、その内側から見ることができたのです。私の友達のほとんどは、これは「きっと楽しい冒険になるぞ」と言っていて、私もそう思っていました。

初めの頃は、日本語に慣れず、また日本の人々もそれほど英語が話せるわけではないという事実に、「3年間も、ここで暮らすことはできないかもしれない」と思いました。でも、日本語クラスの友人から、kokokaのことを教えてもらったことで、そのような気持ちはすぐになくなりました。私はその日本語初級クラスを最後までは受講しませんでしたが、それでも十分、日本語に対する苦手意識が減り、お店やスーパーマーケット、ATM、鉄道やバス停の名前/div>

嵐山の竹林

嵐山の竹林

私は京都での暮らしを楽しむようになりました。たとえば、その精神、文化的な景観、様々な場所での食べ歩き、美しいいろいろなお祭りなどを好きになりました。私は普段、一人ではあまり外出せず、何人かの人々と一緒に観光をするほうが好きなので、そのような機会は逃さないようにしました。様々な行事の中でも、祇園祭と五山の送り火は、私が最初に見た二つの行事で、私が京都に来てすぐの頃にありました。その時には、生活はずっと気楽になっていましたが、吉田国際交流会館のアパートの部屋の小ささには、まだ慣れないままでした。でも、それも克服するのは難しくありませんでした。というのも、平日はだいたい仕事をしているし、また夕方からはバーやレストランで友達と一緒に遅くまで過ごし、そして週末は観光や買い物に出かけるので、ただ寝る場所としては、決して悪くなかったからです。

京都にはお寺や神社、観光名所などがとても多いので、時々何をしようか、どこに行こうかと迷うことがありました。なので、私はほかの人々のレビューや、意見を見聞きして回り、あちこちにある人気のスポットや、これだけは外せない、というような活動について調べなくてはなりませんでした。ありがたいことに、私のグループのメンバーのおかげで、彼らとともに、嵐山、伏見稲荷大社、吉田神社、御所といった、多くの場所を訪れることができました。そしてそのあとは決まって、どこかの良いレストランで夕食とお酒を楽しんだものです。また、私の所属する学部の、ハイキンググループはまとまりがよく、春や秋にはだいたい毎週、日帰りのハイキングに出かけていました。私は一度彼らと一緒に、滋賀の蓬莱山(標高1,174m)に登ることができ、それはとても素晴らしい経験になりました。

木屋町通りの桜

木屋町通りの桜

日本のほかの都市(たとえば、大阪)と比べて、京都には高い建物が少ないです。とくに、歴史的な地域や街の中心部ではそれが顕著です。多くのお寺や神社が京都にあることで、街は古く落ち着いているように見え、多くの古い住宅や通り、お店などが、手を加えられることなく何十年も経過しています。祝日や祭りの時だけではなく、週末にも、人々が浴衣を着て街を歩いているのを見ることができます!これは日本の他の都市では見られないことで、京都の暮らしにおけるたくさんの良いことのひとつです。

私は京都の北の方、とくに叡山電車の沿線と、比叡山の周辺が好きです。桜の咲く季節に見に行ったら、それは素晴らしい景色でした。京都に住んで一年以上が経ちますが、まだ見ていないものがこの街には残っていると思います。時々私は自転車に乗りますが、違うルートを通るたび、新しい発見があります。運のいいことに、日本にとどまり、いろいろなものを見て回る時間が私にはまだ一年と少しあります。近いうちに、次は北海道か東京に行こうと思っています。日本を去る時には、きっと寂しいと思いますが、たくさんの思い出を持ち帰ることができればと思います。それにもちろん、時々は旅行で戻ってくることもできるでしょう。

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冬の京都

キモノフォレスト

キモノフォレスト
(写真提供:京都・花灯路推進協議会)

京都の冬は、底冷えすると言われますが、底冷えと聞いても実際に体感したことのない方には、なかなか感覚としてわかりにくいですね。

そこで、わかりやすく説明すると、京都市内は山で囲まれた盆地の地形をしています。冬の晴れた風の吹く朝に、地面近くの気温が一気に低下して寒くなることがあります。これは、地面から熱が赤外線として上空に放出される放射冷却が起こるためです。

冷たい空気は重いため、盆地があると下の方に溜まります。この冷たい空気が、足元から這い上がってきて体の芯まで冷える原因です。これが、京都の底冷えです。逆に夏は、周りの山々が壁となって空気の通りが悪いため蒸し暑くなります。

渡月橋周辺ライトアップ

渡月橋周辺ライトアップ
(写真提供:京都・花灯路推進協議会)

このように夏は暑く、冬は寒いのが京都市内の気候の特徴です。この寒暖の差が、美しい京都の四季をもたらしていると言えます。秋の紅葉は、昼と夜の温度差が大きいほど、モミジやツタは美しく紅葉します。

また、京都市内は北から南へ少し下り坂の地形となっています。今出川通を境に、景色が変わり、北大路通を境に雪が積もるとも言われています。実際に調べてみると、九条通沿いにある東寺の五重塔の高さが54.8mで、てっぺんが鴨川にかかる北山大橋辺りの地面とほぼ同じ高さです。

竹林の小径

竹林の小径
(写真提供:京都・花灯路推進協議会)

これだけ高低差がありますから、冬に京都駅付近でパラパラと雪が降っている場合、北大路通付近より北の方では、雪が積もっていることが多いです。こんな日は、京都駅でタクシーに乗っても冬用タイヤを装着していないタクシーは、北大路通より北に向かって走ってくれないこともありますのでタクシーに乗る際は、注意してください。

冬の京都で、お勧めのイベントがあります。「京都・嵐山花灯路-2016」では、渡月橋周辺や、竹林の小径がライトアップされて、普段見ることのできない幻想的な情景が見られます。

■問い合わせ先:
 京都・花灯路推進協議会事務局
 075-212-8173(平日 10:00 ~ 18:00)
■開催期間:
 2016年12月9日(金)~ 12月18日(日)
 雨天決行
■点灯時間:17:00 ~ 20:30
■URL:http://www.hanatouro.jp/

黒澤 智(くろさわ さとし)

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京都の閉校した小学校を活用した施設
  「京都国際マンガミュージアム」

日本のマンガ文化を楽しく学べるミュージアム

マンガの壁

マンガの壁


メインギャラリー

メインギャラリー


ミュージアム外観とマミュー

ミュージアム外観とマミュー
(マスコットキャラクター)

京都国際マンガミュージアムは、京都市と京都精華大学の共同事業でオープンした、図書館と博物館の二つの機能を兼ね備えた日本初のマンガの総合文化施設です。このミュージアムにあるマンガ資料の中核は、京都精華大学で約40年以上にわたって教育・研究がなされてきたものです。2016年11月25日に、ミュージアムは開館10周年を迎えました。

建物は元龍池小学校がリノベーションされ、活用されています。龍池小学校は、1869年11月1日に開校されました。しかし、近年の人口ドーナツ化現象1*や少子化等により、1995年4月に4つの小学校と統合され、新たに別の場所に「御所南小学校」として開校されました。

館内に所蔵されているマンガ資料は、歴史的なものから海外のものまで30万点です(2016年現在)。資料の内の約5万冊は、自由に手に取って読むことができます。日本マンガの翻訳語版や、海外で出版されたマンガも約5,000冊あります。

ギャラリーでは、マンガを歴史や産業などの側面から体系的に解説した常設展示と、マンガ作品の原画や関連資料などの展示される企画展が開催されています。さらに、マンガ家やマンガ研究者を招いたトークショーや講座、マンガ家本人がその場で作画作業を披露するライブ・ドローイング・イベント、コスプレ2**交流会なども開催されています。

ミュージアムはチケットを購入したその日に限り何度でも再入場が可能なので、一度足を運んでみませんか。

京都国際マンガミュージアム
URL: https://www.kyotomm.jp/

 * 人々が都市の中心部から郊外へ移動すること
** アニメやゲームなどの登場人物やキャラクターに扮すること

金谷 千菜美(かなや ちなみ)
写真提供 : 京都国際マンガミュージアム

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居酒屋へ行こう

居酒屋

居酒屋

12月と1月は忘年会や新年会などの宴会が多く、仲間とお酒を飲む機会が増える時期ですね。ところで、皆さんは仲間でお酒を飲むとき、どんなお店に行きますか。お酒を飲むお店としては、パブやバーなどもありますが、日本では「居酒屋」に行くことが多いです。居酒屋も、基本的には、お酒を飲むお店ですが、パブやバーと違って、料理の種類がとても多く、食事にも重点が置かれています。とはいうものの、レストランのように、ゆっくりと食事を楽しむというよりは、仲間で集まってお酒を飲むために行くことが多いです。もしかしたら、居酒屋は日本独特の飲食店の形態かもしれません。

居酒屋では、ビール、日本酒、チューハイ(焼酎に果汁を加えて炭酸水で薄めたもの)、ワイン、ウィスキーなど、いろいろなお酒を飲むことができます。また、ジュースやウーロン茶などのソフトドリンクも多く用意されているので、お酒が飲めなくても大丈夫です。

料理は、肉料理、魚料理、焼き物、揚げ物、煮物、サラダ、ピザ、ご飯、焼きそば、デザートなどが有り、多い所では200種類を超える店もあります。料理は一品づつ皿に盛られて出てきます。皆んなでいろいろな料理を注文して、それを分け合って食べます。

数人から十数人で集まって、食べて、飲んで、お喋りして、一人当たり3000円から4000円くらいで楽しめます。また、外国人で日本語が読めなかったり、日本の食べ物がよく分からなくても大丈夫です。多くの居酒屋ではメニューが写真付きで載ってますし、料理の名前が英語、中国語、韓国語などで書いてある場合もあります。

まだ居酒屋へ行ったことの無いあなた。今年の年末年始は、仲間と一緒に「居酒屋へ行こう」。

鈴木 秀利(すずき ひでとし)

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洛中洛外図屏風(らくちゅう らくがいず びょうぶ)

洛中洛外図屏風

洛中洛外図屏風


祇園祭の長刀鉾

祇園祭の長刀鉾


神輿

神輿

洛中洛外図は、京都(洛中)とその周辺(洛外)の景観を、屏風に描いた絵画です。1500年代から1700年代にかけての作品で、文化的に価値あるものです。数ある中で、1600年代初めに土佐派という絵師グループによる屏風絵には、当時の社寺、屋敷、祇園祭、庶民の生活が詳しく描かれています。例を挙げますと、徳川幕府が造った二条城には、当時は天守閣があり、辺りを圧しています。御所へは長い行列が描かれ、徳川将軍秀忠の娘が後水尾天皇に嫁入りするときの様子だと言われています。また、真如堂は現在の吉田山の南では無く、御所近くにあります。その付近に、真如堂ゆかりの町名が幾つかあることから、当時は御所付近にあったのでしょう。外国人も登場しています。絵全体には金粉の入った絵具(金泥)が使われ、華やかな雰囲気が出ています。

このような屏風をより身近に楽しめるようレプリカも出ています。原画をスキャンし、金泥と景観を重ねて印刷(デジタルアーカイブ)するもので、鮮やかさが再現されています。

実物の屏風は、100ほど残っているそうです。そのうち幾つかは、京都にも国立博物館などに所蔵されています。それらが公開されるときには、是非見に行きましょう。絵画と京都の今昔を楽しめます。


古田 富好(ふるた とみよし)
写真提供:株式会社京屋吉星

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

外国人のためのカウンセリング・デイ

法律、ビザ、税金、保健や年金などについて、分からないことはありませんか?心の悩みを抱えていませんか?専門家が皆さんの相談に、お応えします。通訳者もいます。事前に予約してください。秘密厳守。

  • 日時:12月17日(土)午後1時〜5時
  • 場所:kokoka 京都市国際交流会館 3F 会議室・相談室
  • 申込:075-752-3511

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『まるごとクリスマス スペシャル』

まるごとクリスマス スペシャル

コダシマ アコ著
かもがわ出版、2010

日本でも12月に入ると、クリスマスツリーやイルミネーションで街のあちこちがクリスマスムードになりますね。今年はこの本を読んで、“ハンドメイド・クリスマス”にしませんか。クリスマスツリー、オーナメント、クリスマスカードなどなど、たくさん作ってみましょう!クリスマス・クッキングのレシピも紹介されていますよ。

日本の年中行事と室礼

みなさんは日本の年中行事をどれだけ知っていますか。日本には、長い間ずっと暮らしの中に根付いてきた年中行事があります。『日本の年中行事と室礼』(松田紀子、ナタリア・モリソン著 室礼研究会・ゆずり葉 2015)には、月ごとに一つずつ年中行事が紹介されています。

この本を読んで、ぜひ日本独自の生活文化に触れてください。

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

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