タヌキ、和菓子、そして居酒屋
―偶然の京都暮らしの覚書―

アメリカ国旗

ジョン・ホルツマン(アメリカ)


巨大なタヌキと筆者

巨大なタヌキと筆者(滋賀県にて)

日本に来る前は、私は日本を訪問することにあまり興味がなかったという、世界をあちこち巡る旅行者には、まれな一人だったのかも知れません。アメリカでは、私は、幸いにも数多く旅行する機会を与えられた文化人類学*の教授をしています。それでも、世界のあらゆる国を、訪れるのに十分な時間はありません。日本についてのイメージは、混雑した東京の地下鉄、高層ビル群そしてネオンの光でした。ですから日本に来ようなどとは、ほとんど思いもしませんでした。そのとき京都大学の何人かの同僚が、(日本での)会議に先方の負担で私を招待してくれました。しかも温泉旅行つきでした。私の友達が何を言ったかともかくとして、費用は全額先方持ちですって?私はバカではありませんから、京都に行ってみよう! と思いました。もちろん、京都はいままで日本に関して抱いていた、誤った印象とは別物だとわかりました。そして、この美しい、驚くべき神社や寺、穏やかで平和な自然空間、素晴らしく、やさしい人々で満ちているこの美しい町で、九日間の素晴らしい日々を過ごしました。言ってみれば京都と恋におち、また来ようと思ったのです。

ポコト族の少女

ケニア北部、ポコト族の少女

私はまた、アフリカのことで京都にきた数少ない人間の一人かもしれません。アフリカに興味を持つ大部分の人々は、単純にアフリカへ行くでしょう。だから、どうして京都なんでしょう?私は文化人類学者として、ケニアの一民族のサンブル族について長い間研究調査してきました。彼らは、牛・ヤギ・羊・ラクダを飼育してきた伝統的な部族です。彼らに関しての私の主な研究テーマは、食べ物でした。京都大学にはアフリカ研究において素晴らしく、しっかりとしたプログラムがあります。それで、ケニアで共に調査をしていた優秀な同僚たちが私をここに招いてくれたのです。彼らは引き続き歓迎してくれ、我々はアフリカ研究のプロジェクトで一緒に仕事をしています。

最初の訪問から、日本の豊かな文化は多くの点で私をひきつけました。文化人類学者の私にとって、日本は本当に興味深く感じられます。なぜならば、西洋の国々と類似した点がありながら、多くの違った点もあるからです。日本文化と民間伝承で最初に興味をひいたもののひとつは、タヌキです。多くの人々はかわいいのでタヌキが好きですが、私はタヌキが思い通りに自分の姿を変える**と言う発想が好きです。そして、タヌキは変装の名人でいたずら好きですが、たいていは親切で陽気です。私は、とりわけ、日本人も知らない、わからないような、日本の文化と歴史の複雑な部分について、多くの冗談を言ったり、想像力を働かせるのが好きです。よって、ちょっとした楽しみのためですが、埋もれた文化を、まるで真実であるかのように作り上げたりもできます。例えば、日本と中国の暦は、少しばかり違う(これは本当です)ので、私のように一月下旬生まれの人は、日本と中国では干支の動物が違います(これも本当です)。ですから、私は「化ける」のだ!と申し上げたい。ある場所での私の干支の動物が、別の場所では違う動物になるわけですから…。きっと私の干支の動物はタヌキに違いありません!(人は干支にタヌキはいないよ、と言い張るでしょう。だから多分、たとえ私が真実ではないといっても…)

京都のきれいな和菓子

京都のきれいな和菓子

今までに私は十回以上日本に来ましたが、たいてい二か月から三か月滞在し、京都にいます。京都大学の同僚は、アフリカの研究に招いてくれましたが、何回かの来日の後、日本の文化も学びたいと思いました。人類学における、私の専門分野は食物の研究です。アフリカの食べ物に関して多くの本と論文を書きました。私が最初に興味を持った日本の食べ物はお菓子でした。日本の食べ物といえば、ほとんどの外国人が米と寿司だと思うでしょうが、日本におけるお菓子の豊かな伝統について学び、私は驚きました。日本には和菓子という見た目にも大変美しい伝統的なお菓子があり、それは季節の感覚を反映し、茶道の席でとても大切な物なのです。また、日本にはシンプルなお菓子もあります。そして、チョコレートのような西洋菓子も非常に一般的になりました。研究が進むにつれ、私は他の興味ある分野を研究に付け加えました。例えば、なぜ日本人が他の国の人々よりほっそりしているという傾向があるのかということや、あらゆる種類の日本の食べ物や飲み物についての研究です。もちろん、この仕事はとても難しいです。インタビューに加えて、この研究は、居酒屋や他の場所で日本食を食べ、日本酒を飲むために友人と出かけるために多くの時間を費やす必要があるからです。この種の活動はやりがいがあります。そして私に、この研究を助けてくれる多くの友人に会うのが楽しみです。

 *それぞれの人間の文化の似ている点と違う点についての地球規模での研究
**民間伝承において、別のものに化ける存在であること

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日本の庶民文化:銭湯

梅湯

梅湯

湊さん

湊さん

銭湯とは、お客様に入浴してもらう日本の公衆浴場のことを言います。

河原町五条を南へ少し行ったところにある、銭湯「サウナの梅湯」(以下、梅湯)へ行って来ました。

経営者の湊三次郎さんは静岡県出身の25才という若さで、この銭湯を切り盛りされています。

梅湯の創業開始は、はっきりとはわからないそうですが、過去の資料などに明治時代(1868-1912)に、この町内に銭湯があったそうですが、それが、おそらく梅湯であると思われます。

薪の釜を使用して、お風呂のお湯を沸かしています。ただ、40~50分毎に薪を継ぎ足す作業が、必要なので手間はかかるそうですが、薪で沸かしたお湯は体の芯まで温まります。

そして、お風呂で使用する水は、天然地下水をくみ上げて利用しているそうです。

経営する上で一番苦労されていることは、毎日来ていただいている常連のお客様への心配りと、初めてお越しのお客様(特に海外からのお客様)とのバランスを取ることに苦労しているそうです。

日本の町に昔から存在する公共の場として銭湯は、子供からお年寄りまで様々な世代が集まります。時には、湯船で暴れている子供が近所のおじいちゃんに叱られたりもしますが、そうやって社会性を学びながら育って行くことで、一人前の大人になって行くものですが、こういった場所も徐々に少なくなってきています。

外国人の方には、銭湯という場所に馴染のない方も多いと思いますが、梅湯では外国人の方を歓迎されています。(スーパー銭湯では、入場を拒否されるタトゥーも大丈夫です。

最近では、ガイドブックなどに銭湯のことが書かれていて、ある程度の情報は伝わっていますが、マナーの部分では、やはり文化の違いや個人的に礼儀作法のない方もいますので、わからないことがあれば、湊さんに聞けば教えていただけます。

場内には英語でマナーや使い方が、書いてありますので参考にしてください。外国人の方には、電気風呂が人気だそうです。電気風呂とは、浴槽の湯に体に害のない程度の電流を流すお風呂のことをいいます。一度入ると病みつきになりますよ。

寄席

寄席(イベント)

また、銭湯のスペースを利用して音楽ライブや寄席、トークイベントなども開催されています。8月と9月は、毎週土日は朝6時半から朝風呂もやっておられます。

日々の仕事の疲れや、旅の疲れを大きな湯船に浸かって、足を伸ばして入ってみてください。

お風呂上りには、是非とも冷えた牛乳でレトロな雰囲気を、味わってみてください。

Twitter アドレス:
https://twitter.com/umeyu_rakuen

黒澤 智(くろさわ さとし)

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京都の廃校を利用した施設「京都芸術センター」

校舎

華美でもなく、どこか
愛嬌のあるデザインの校舎

全国各地で、少子化や市町村合併などで廃校となった学校を改築し、有効利用する取り組みがあります。地域や子ども達に愛され長い歴史を歩んできた学校が、カフェやイベント、宿泊施設など、新たな役目をもった場所として活用されています。

Life In Kyotoでは今後、文化的、歴史的価値のある京都の廃校を利用した施設をシリーズで紹介していきます。

廊下

時を感じさせる校内

第1回目は京都市の中心地に位置し、四条通にほど近い元明倫小学校を利用した「京都芸術センター」です。1869年に開校し、1993年に124年の歴史をもって閉校した同小学校は現在、様々なジャンルの現代アートをはじめ、能や狂言といった伝統芸能、茶道など、多数の芸術文化が気軽に体験できる施設となっています。

ギャラリー

ギャラリー

 

センターの敷地にある学校らしい門を一歩くぐると、80年以上前に建てられた趣ある外観の校舎が見えてきます。西洋的なクリーム色の外壁や、スペイン風の屋根瓦、ユーモラスな丸い窓など、当時はその豊かな装飾性が東洋一と称賛されました。

  
前田珈琲

前田珈琲

 

施設は西館、北館、南館など複数の建物に分かれており、使いこまれた木造の廊下や階段、教室などそこかしこに歴史的な風情とレトロな雰囲気を漂わせています。南館にはかつての教室をほぼそのまま用いた情報コーナーや小さな図書室があり、誰でも利用できます。図書室には京都の文化、美術全般に関する書籍などが多数あり、閲覧が可能です。美味しいコーヒーやケーキ、サンドイッチなどの軽食が楽しめる京都の老舗カフェもお店を出しておりおすすめです。街中とは思えない静かで落ち着いた空間の中にいると、時間を忘れて長居したくなるかもしれません。

Access

四条烏丸交差点から北西に徒歩5分

 

「京都芸術センター」ではギャラリーでの展覧会や、講堂、大広間などを会場に茶会、演劇、ダンスなどの舞台公演やワークショップなど、多数のプログラムを実施しています。古くて新しい文化都市、京都ならではの体験ができることでしょう。

 

京都芸術センターURL  http://www.kac.or.jp/

 

伊東 志麻(いとう しま)

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京野菜

おいしくて体にいい、京都の伝統的な野菜

Kyoyasai

皆さんは野菜が好きですか。皆さんの国にもいろいろな野菜が有ると思いますが、日本にもおいしい野菜がたくさん有ります。中には、皆さんが日本に来て初めて見たり食べたりした野菜も有るのではないでしょうか。

ところで、京都には「京野菜」と呼ばれるいろいろな野菜があります。京野菜は、京都に古くから伝わる伝統的な野菜で、京都特産の野菜として全国的にも有名です。京野菜の具体的な定義はありませんが、一般的には京都府が決めた「京の伝統野菜」や「ブランド京野菜」に認定されたものを指すようです。

京野菜の歴史はとても古いです。1200年以上前から政治や文化の中心地であった京都には、宮廷や寺社への献上品として、国内各地や中国から多くの品質の良い農産物が集まってきました。また、京都は海から遠く、新鮮な魚などを手に入れることが難しかったので、人々は野菜を多く食べていました。さらに、京都の気候、肥沃な土地、豊富な水は野菜を育てるのに適していて、長い歴史の中で野菜の品種改良が進み、おいしくて栄養がある優れた「京野菜」が生み出されてきました。

現在、「京の伝統野菜」または「ブランド京野菜」に認定されている野菜は、約50種類ありますが、ここで、いくつかの京野菜を紹介します。

■みず菜… 古くから栽培されてきた野菜で、「京菜」とも呼ばれます。ギザギザの細い葉と歯切れの良い食感が特徴で、鍋物やサラダによく使われます。ビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれ、栄養面でも優れています。

■九条ねぎ… 青ねぎの一種で、葉が柔らかく、内部に甘みと香りを含んだ「ぬめり」があるのが特徴です。冬の寒い時期には、特に甘みが増します。鍋物、みそ汁、麺類の薬味などに多く使われます。ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンC、カロチンが多く含まれていて、風邪に効くとも言われています。

■聖護院大根… 直径20cmぐらいの丸い形をした大きな大根です。甘くて苦みや辛味が少なく、とても柔らかいのが特徴です。煮崩れしにくく、味がしみ込みやすいので、おでんや煮物によく使われます。

■賀茂なす… ボールのような丸い形をしたなすで、「なすの女王」とも呼ばれています。肉質は固くしまっていて、歯ごたえが良いのが特徴です。田楽(砂糖などを加えた味噌を塗って焼いた料理)や煮物によく使われます。

京野菜フェスティバル

京野菜フェスティバル
写真提供:農林水産部 流通・ブランド戦略課

ところで、京都では京野菜の魅力を多くの人に知ってもらうために、毎年「京野菜フェスティバル」というイベントが開催されています。昨年の京野菜フェスティバルには約10万人の人が来たそうです。そして、全国の有名ラーメン店が京野菜を使った限定メニューで競い合う「ラーメンバトル」、京都の食材を使った料理が集まる「京都ご当地グルメフェスティバル」などのイベントが行われました。京野菜フェスティバルで、京野菜を見て、知って、実際に食べていただけたらと思います。詳しくは下記にお問い合せください。

「京都府 農林水産部 流通・ブランド戦略課」
電話: 075-414-4941

鈴木 秀利(すずき ひでとし)

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

kokokaオープンデイ2016

Karuta
  • 開催日 2016年11月3日(木・祝)
  • 時 間 10:00~16:00
  • 場 所 kokoka 京都市国際交流会館 全館
  • LIK企画「カルタで遊ぼう!」 3F 研修室

百人一首カルタのそれぞれの和歌には、それぞれの作者と意味があります。百もありますから、皆さんもきっと好きな一首が見つかるでしょう。百人一首カルタで遊び、和歌に親しんでみませんか。ぜひ、オープンデイにお越しください。

HP:http://www.kcif.or.jp/

外国人歓迎会 2016

  • 外国人の方:第1部、第2部両方参加は無料。第2部のみ参加は500円
  • 日本人の方:第2部のみ参加可(500円)
  • 第1部 セミナー:ビザやアルバイトについて、自転車ルールや交通安全について、生活に役立つ情報(携帯、インタ ーネット、安売店など)、kokoka 京都市国際交流会館について、日本語、英語、中国語で説明します。
  • 第2部 パーティー(外国人・日本人歓迎)
  • 第1部、第2部とも要申込。

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

英語で紹介する 寿司ハンドブック

寿司ハンドブック

今田 洋輔 監修
ナツメ社、2013

 日本の伝統料理-寿司-、外国の方にも人気が高いですよね。この本では、約50種の寿司ネタを、名店・銀座久兵衛で撮影された写真とともに掲載しています。

ほかにも、寿司の食べ方・握り方などが紹介されているので、寿司に対する知識がぐっと深まりますよ。“寿司通”と呼ばれたいあなた!必読の一冊です。

決定版 世界のパン図鑑224

大和田聡子 監修、2013

“米”より“パン”が好きというあなたにはこの一冊。この本は、世界のパン224種類を、中近東・西欧・アジアなど地域ごとに収録しています。それぞれのパンと相性の良い飲みものなどが紹介されていてオススメです。みなさんこの本を読んだ後は、絶対パン屋さんに行きたくなりますよ。

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

生田 稔 / 伊東 志麻 / 王 月瑋 / 王 暁琴 / 大薮 俊一 / 亀田 千明 / 金谷 千菜美 / 黒澤 智 / 鈴木 翔一朗 / 鈴木 秀利 / 陳 慕薇 / 西村 誠 / 藤田 リサ / 古田 富好 / 水江 加奈子 / 山下 元代 / 湯澤 公朗 / Karl JANSMA / Yoshinori TAKEDA

WEB版作成

金谷 千菜美

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