京都における研究者生活

ニュージーランド国旗

エマニュエル・マナロ(ニュージーランド)


マナロさんとご家族

マナロさん(右)とご家族

多くの人々が京都の豊かな文化を楽しむために京都を訪れますが、私が約18年前に京都に訪れた理由は主に研究のためでした。

当時、博士課程を修了したばかりでした。私は、数学の学習に困難を抱えている子どもたちが、記憶術を用いて正しく足し算、引き算、掛け算、割り算ができるようにする方法について研究していました。私の研究で用いた記憶術は、京都両洋高校で用いられているものでした。私はその記憶術について英語で書かれた本で読んだことしかなかったので、日本に来て、その学校を見学したいと考えていました。

そこで、京都教育大学の教授に連絡を取りました。彼は、私と(日本人の)妻が日本に滞在する間、親切にもてなしてくれました。私たちは京都両洋高校に訪問し、前校長がお亡くなりになってから、もうその記憶術は使われていないということを知りました。それを聞き少し残念と感じましたがその教授は京都大学の研究者など、他の教育研究者を紹介してくださいました。

妻と私はとても京都が気に入り、その夏の滞在を楽しみました。ですが、まさかそこに住むことになるとは当時は考えてもいませんでした。私たちはニュージーランドのオークランドに戻り、オークランド大学で仕事をしました。そして数年後に娘が生まれました。

その後、日本で出会った研究者の方々と共同研究を行いました。そして6年前、東京の早稲田大学の教授職につくため、日本に引っ越しました。さらに一年半前に京都大学の教授職につき、京都大学の初めての教育学部の外国人研究者になりました。そして今私たちは京都に住んでいます。

この記事の始めに述べた通り、京都は研究を行うための場所であると一般的に認識されているわけではないですが、ここにはアジアだけでなく世界の大学ランキングで上位の大学があります。京都大学は国際的にも有名です。数多くの国際的研究者が集まります。私が京都大学で仕事を始めて以来、アメリカ、イギリス、デンマーク、フランス、シンガポール、メキシコなど世界各国からの研究者が、共同研究のために京都を訪れています。

マナロさんとご家族

マナロさん(中央)とご家族

近代的な都市の中に多くの文化遺産が残る京都において、文化的による類似点や相違点について検討することも興味深いです。例えば、私たちの研究では、京都の大学生は、深い思考のプロセスが学習において重要であると認識しており、その点において沖縄やニュージーランドのオークランドの学生とは異なっていることがわかりました。またほかの研究では、京都の学生とオークランドの学生は、沖縄の学生に比べて相互協調性が低いことが示されました(相互協調性とは、自分は家族や友達のような重要な他者との社会的関係の一部であるという考えのこと)

京都に住んでいて何が好きかと聞かれたら、文化や美しい場所とは別に、京都は研究をするのに素晴らしい場所だと答えるでしょう。信じられないという方は、是非、京都大学付近の哲学の道を歩いてみてください。ひらめきやインスピレーションを得ることができますよ。たとえ、ひらめきやインスピレーションが得られなくとも、素晴らしい景色がみられます!

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七夕

光の天の川(堀川会場)

光の天の川(堀川会場)
写真提供:京の七夕実行委員会

見上げてみてください、夏の夜の星を。子供のころ、七夕の夜に、様々な手作りの飾りをつけた笹に、星に願いを込めて書いた短冊を吊り下げた記憶があります。当時(かなり前ですが)、大都会でも空気がきれいで、星がよくみえました。

七夕は、現在日本では、一般的に7月7日の夜に行われます。

古代日本の神事として「棚(たな。ここでは神棚のこと)」に「機(はた。織物を織る機械)」で織った織物をお供えし、秋の豊作などを願う「棚機」という行事がありました。一つの説として、日本に仏教が伝わってから、仏教行事である「お盆」の準備として旧暦7月7日の夕方に行われることになったようで、そこから漢字で「七夕(7日の夕方)」と書いて「たなばた」と呼び始めたようです。

天の川をはさんで、「織女星」(おりひめ、裁縫の仕事の星、琴座のベガ)と「牽牛星」(ひこぼし、農業の象徴である牛飼いの星、鷲座のアルタイル)が、もっとも輝きを増す旧暦7月7日ごろに、1年に1度の出会いを楽しむ、という、古代中国の伝説が、先ほどの日本古来の行事と合わさって、現在の星に願いをかける「たなばた」につながったようです。現在では、例えば「恋人がほしい」「金持ちになりたい」「パイロットになりたい」といった願い事を短冊に書き、笹に飾りますが、この習慣は、江戸時代に、手習い事の上達を願う行事として、一般庶民に広がったものといわれています。

夏の夜のきれいな星空を眺めながら、願い事をかなえてみては、いかがですか。

宮城県の仙台市や神奈川県の湘南地域など、日本のあちこちで七夕の行事(祭り)が行われます。

京都では、堀川遊歩道と鴨川河川敷、そして今年からは北野天満宮なども加えた会場で、イルミネーションが美しい「京の七夕」という行事が、今年も8月6日(土)から12日(金)に行われる予定です。ぜひでかけてみてください。

「京の七夕」HP: http://www.kyoto-tanabata.jp/(日本語)
「仙台七夕まつり」8月6日(土)ー8月18日(月)
 (HP:http://www.sendaitanabata.com/about

仙台七夕まつり

仙台七夕まつり
写真提供:仙台七夕まつり協賛会

風鈴灯(鴨川会場)

風鈴灯(鴨川会場)
写真提供:京の七夕実行委員会


生田 稔(いくた みのる)

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京都一周トレイル・自然を歩く

京都一周トレイル

京都一周トレイル
イラスト・水江 加奈子

お弁当と飲み物をリュックサックに詰めて、自然を楽しみながら京都を歩いて一周してみませんか。京都一周トレイルは、東山、北山東部、北山西部、西山の4つのルートからなる全長74.1kmのトレッキングコースです。

北山杉

北山杉
(北山コース西部)

鞍馬の天狗

鞍馬の天狗
(北山コース東部)

叡山ケーブル

叡山ケーブル
(北山コース東部)

表示盤

表示盤
(東山コース東部)

東山ルートは京阪伏見稲荷駅から始まり、音羽山、蹴上インクライン、大文字山四ツ辻、哲学の道を経て比叡山に至る24.6kmのルートです。最も高い所はゴールであるケーブル比叡駅の標高690mです。千本鳥居で有名な伏見稲荷大社を抜け、kokoka近くのねじりまんぽトンネルをくぐって比叡山を目指します。急な登り下りが何ヶ所もありますので、一度に歩くのではなく、このルートは2回に分けて歩くことをお薦めします。

北山ルート東部はケーブル比叡駅から出発し、大原、静原を経て二ノ瀬に至る17.9kmの途中に登りの少ないルートです。足腰にあまり自信のない方に適した道のりです。ゴール近くの鞍馬には露天の温泉があります。疲れた体を癒して、汗を流してサッパリとした気分で帰ることもできます。

北山ルート西部は叡山電鉄鞍馬線の二ノ瀬駅からスタートして、清滝金鈴橋までの全長19.3kmのルートです。桜や新緑、紅葉、雪景色など四季折々の自然が楽しめるハイキングコースで、高雄の北側では、手入れの行き届いた美しい北山杉を眺めることができます。

西山ルートは京都ならではの伝統と緑の豊かさを感じられる散策路です。清滝から、鳥居本の古い町並み、千灯供養で有名な化野念仏寺、トロッコ嵐山駅、渡月橋を経て阪急上桂駅までの比較的平坦な12.3kmの道のりです。

各ルートには道に迷うことのないように表示盤(和英)が要所に配置されていますので安心です。また、これらのルートについてのガイドマップも書店で販売されています。京都一周トレイルにぜひチャレンジしてみてください。汗を拭うタオル、ゴミを持ち帰るためのビニール袋、トイレで使うティッシュペーパーは忘れずに持って行ってくださいね。

西村 誠(にしむら まこと)

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霊鑑寺の椿

白椿

白椿

哲学の道を銀閣寺から15分ほど南に行き、東山への斜面を少し上ると霊鑑寺に着きます。

この寺は、1654年に後水尾天皇が創建し、住職は歴代、皇女(天皇の娘)が任命されました。いつもは閉まっていますが、春と秋に特別公開されます。寺の見所は、後水尾天皇が好きだった椿で、これを鑑賞すべく4月上旬に訪問しました。観光コースでもないので、境内をゆっくりと廻れました。苔むした庭に、赤や白や黒(濃い赤)といった多くの種類の見事な椿の花が咲いていました。

白椿

黒椿

樹齢は350年にも及ぶと言われています。桜も満開で、椿との組み合わせた景色も良かったです。立派なモミジの木もあり、秋になると紅葉が美しいでしょう。また、霊鑑の名は、「寺の鑑(かがみ = 鏡)にお祈りすると願いが叶う」、に因むとのことです。お雛様、御所人形、カルタ、江戸時代の著名な日本画家(狩野永徳と円山応挙)による襖絵、調度品なども展示され、楽しさ満載です。

古田 冨好(ふるた とみよし)

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京都で書道体験

 

京都で日本文化を体験しよう    

書道の様子

書道体験の様子
写真提供:知ふみ書道

皆さんは書道教室でお稽古したことはありますか?京都にある「Calligraphy Kyoto 知ふみ書道」という教室では、英語か中国語で、自身のスケジュールに合わせた書道体験を行うことができます。私もこの教室に通っていて、体験の様子を見学させてもらいました。この日はアメリカ人の女性が1時間の体験に来ていました。

お稽古の初めに、先生から、ひらがな、カタカナ、漢字の成り立ちについての説明がありました。続いて、書道について簡単な説明があり、墨の磨り方と筆の持ち方、基本の線の書き方を学びました。その後、先生は文字の書き方を説明しました。

ご家族での書道体験

ご家族での書道体験
写真提供:知ふみ書道

アメリカ人の女性は、初めに「和」という漢字を練習し、カタカナで名前を書く練習をしました。続いて、先生が書いた数種類のお手本から、ひとつ自分の好きな漢字を選んで練習しました。彼女は「美」という漢字を選びました。数回練習した後、練習した漢字と名前を色紙に書き、その色紙がプレゼントされ、お稽古が終了しました。

お稽古が終わった後、少し彼女に話を聞いてみました。書道体験をしようと思った理由はオイルペイントをしていて、書道に興味があったからということでした。また、筆を正しく持つことは難しかったけど、素晴らしい体験ができたという感想が聞けました。

皆さんもこちらの書道教室で体験をしてみませんか?この教室には着物の着付けと茶道を体験できるコースもあります。体験の予約や教室の詳しい情報は以下を確認してください。

ホームページ: http://calligraphy.kyoto.jp/
トリップアドバイザー: 「カリグラフィー京都」で検索

金谷 千菜美(かなや ちなみ)

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

kokoka 避難所宿泊訓練 2016 “2 Days in a shelter !”

大地震など、大きな災害が起きたとき、kokokaは「避難所」になります。実際に kokoka に泊まって「避難所」を体験し、大きな災害が起きた時に、どのように行動したらよいか、消防署による訓練や、ワークショップを通じて、考えてみませんか?

<内容>

  • 「起震車」による大地震の揺れの体験
  • 緊急救命訓練
  • 初期消火訓練
  • サバイバルフードの試食
  • 災害が起きた時のためのワークショップ
  • 避難所での暮らし体験

<こんな疑問、思いにこたえます>

  • 大地震発生! まず、何をしたらいい?
  • 日本語がわからない !!
  • 初期消火訓練
  • 火事発生! ケガ人がいる! さあどうしよう!
  • 「避難所」ってどんなとこ? 私も人を助けたい!

など

  • 【日時】 2016年6月18日(土)午後4時〜19日(日)午前10時
  • 【場所】 kokoka 京都市国際交流会館(京都市左京区粟田口鳥居町2−1)
  • 【参加費用】 無料。夕食、朝食(非常食)付き。夜は寝袋を提供します。 ※寝袋はお持ち帰りいただけます。
  • 【持ち物】 底の平たい靴、ズボン
  • 【対象】 外国籍住民、日本語のわからない方
  • 【申込】 HPから、または電話で申し込んでください。
       HP http://www.kcif.or.jp/HP/jigyo/saigai/jp/kunren/index2016.html
       電話:075-752-3511、FAX:075-752-3510、E-mail:office@kcif.or.jp

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『英語訳付き ゆかたの着つけハンドブック』

DISCOVVERYING KYOTO IN TEMPLES AND SHRINES

安田多賀子著
誠文堂新光社、2015

間もなく夏本番!夏と言えば「ゆかた」ですね。今回ご紹介する本は、ゆかたの着方から小物選び、そしてお手入れまで、ゆかたの基礎がわかる一冊です。

この本を読んで、ゆかたについて一通り理解したら、みなさんもゆかたを着て、街や夏祭りに出かけてみませんか。今年の「ゆかた美女」・「ゆかた美男」はみなさんで決まりですね!

相撲

同じ日本の伝統文化でも、こちらはガラッと変わって「相撲」についての1冊です。『相撲大事典第四版』(金指 基 原著、現代書館、2015)を読んで、日本の国技「相撲」に親しんでみませんか。この事典には、相撲に関わるたくさんの用語が掲載されています。読むには少し難しいかもしれませんが、テレビで相撲観戦する時に、この事典が手元にあれば相撲を何倍も楽しめるはずです。次回は7月場所(名古屋)ですよ。

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

生田 稔 / 王 月瑋 / 王 暁琴 / 大薮 俊一 / 亀田 千明 / 金谷 千菜美 / 鈴木 翔一朗 / 鈴木 秀利 / 陳 慕薇 / 西村 誠 / 藤田 リサ / 古田 富好 / 水江 加奈子 / 山下 元代 / 湯澤 公朗 / Karl JANSMA / Yoshinori TAKEDA

WEB版作成

鈴木 秀利

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