華道と私

中国国旗

李玄(中国)


華道の魅力    

李玄さん

李玄さん

京都には、「茶道」や「華道」など数えきれないほどの「道」があります。伝統文化に志のある私が華道に辿り着いた理由は、幼い頃から植物に興味があるからです。

思えば華道には、植物を無愛想なまでに切り、人間の思うままに曲げることがしばしば伴っていますが、そのような植物は切られても再生でき、曲げられても簡単には折れません。この旺盛な生命力こそ、人を強く惹きつける原因の一つでしょう。しかも、必要なだけ切り取り、できる限り植物本来の特性を生かすことが熟練した証ではないでしょうか。

緋扇

緋扇の生花・李玄さん作

茶道はもちろん重要な文化ではありますが、華道ほど年中行事と緊密に結びついていません。それは花がもともと季節的な物であるのに大きく関わっているでしょう。京都には祭りが多いだけに、各祭りに花の決まりもあるらしいです。たとえば、祇園祭の時には緋扇は欠かせないのだそうです。そんな話の数々を聞くだけでも楽しいものですが、まして実際にみずからそれらの生け花をやってみるのは尚更のことでしょう。二年間余りの稽古を重ねて、植物の季節性を知るばかりでなく、おかげさまで、京都の行事に対する理解も深まったことはなによりも嬉しいのです。

盛花

盛花・李玄さん作

京都の人と打ち解けるのにとても時間がかかるとよく言われています。留学生にとって、留学先で友達を作るのはたやすいことではなく、恥じらいの多い日本人とは言うまでもありません。華道の稽古で私はたくさんの方と知り合い、友達になりました。稽古場とは、花が好きな人だけの集まり、いわば同好会みたいな空間です。それゆえ、普段の堅苦しいことをすべて忘れて、一途に花と向き合うことができます。この雰囲気の中、人はおのずと親しくなってきます。師匠が主宰している「芳友会」もこのことにちなんで名付けたということです。生け花の場で出会えた人は皆「芳ばしい」友達です。私も花とともに、花のご縁でできた繋がりを大切にしていきたいと思います。


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盆栽の世界(後編)

広樹園の盆栽

広樹園の盆栽

前回に引き続き、日本の文化の一つ、盆栽について広樹園の園主の桝見朋広(Masumi Tomohiro)さんに色々聞いてみました。今回は盆栽について疑問に思ったことをお聞きしました。

盆栽の楽しみ方は海外と日本で変わったりしますか?

 

海外ではコミュニティーがメインですが、日本は個人で楽しむのが多いです。海外の方はお互いの作品に共感することで楽しむ人が多いです。

京都と盆栽はどれほどの関係がありますか?

盆栽と京都は直接つながらないですが、どちらも昔から続いているので深い関係があります。中国から盆景が日本へと伝わり、一つの入れ物に何本かの木から一本になり、盆栽ができ、広まりました。まず始めたのが貴族で、徐々に庶民に伝わりました。

初心者におすすめの始め方はありますか?

よく聞かれますが、初心者向けの盆栽というものはありません。自分が良いと思ったら世話をしたくなっていくと思います。もちろん予算も考える必要もあります。

盆栽を見るおすすめの季節はいつですか?

季節的には本来の盆栽の楽しみ方と一般の見方は違うと思います。本来は冬が鑑賞のベストシーズンです。葉っぱがないので枝がはっきりと見えます。一年をかけて枝をきれいに作っていき、冬にその成果を見ます。それを繰り返し何年もかけて、良いものを少しずつ作っていきます。また盆栽は生き物なので完成がありません。常に変わっていくのが盆栽の世界です。そして今出来るベストなものを作っていきます。一般の人は花見や紅葉を見るように盆栽で季節を感じます。でも盆栽は色だけを楽しむものではないのです。

桝見さんが盆栽を始めたきっかけは何ですか?

父が広樹園の園主をやっていました。その時、見学に来られた海外の人の方が、熱心に興味を持っていて、自分もそれを伝えたいと思い始めました。盆栽の概念を変えていき、より多くの人たちに広めていきたいです。盆栽が海外で広まっていることを逆に日本に伝えたいです。海外の方は情報が充分ではないので、できることも限られています。今は本場に近づけようとしている段階ですが、そこを超えていき将来はその国の特色が表れると思います。

留学生などは時間に限りがありますが、母国に帰るときは盆栽はどうなってしまうのですか?

生き物だからやはり海外に簡単には持っていけません。ですが盆栽の引き継ぎの方法はいくつもあります。誰かに預けるのも買った先に引き取ってもらうことも可能です。売るのは少し難しいですが、価値のある盆栽であれば可能性はゼロではありません。なぜかと言うと、盆栽は財産だからです。年数をかけると盆栽の世界で貴重なものとなっていきます。そうして長い年月を渡り、持ち主も変わっていき一つの作品の繋がりを作っていきます。

最後にコメントをお願いします。

ここでは月一回盆栽のクラスを主催していて、盆栽の手入れを教えています。また英語対応も可能なので、ぜひ外国の方も気軽に来てほしいです。フェイスブックもあるので、ぜひアクセスしてみてください。盆栽に興味のある方は気軽に来てください。まずは一回でも来てください。

ウェブサイト: http://www.kyoto.zaq.jp/kojuen/
Facebookページ:広樹園(Koju-en)で検索

取材・編集:Yoshinori TAKEDA

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第二次世界大戦における日系アメリカ人の強制収容

 

戦時中に起きた人種差別    

ハートマウンテン強制収容所

ハートマウンテン強制収容所
バラック小屋と監視塔

真珠湾攻撃の後、アメリカ西部に住む日系アメリカ人は、荒野のキャンプに強制移住させられました。彼らは家などの財産を二束三文*で処理し、荷物をまとめ、10ヶ所ある強制収容所の内の一つに移り、残りの戦争の期間を過ごすしかありませんでした。1988年になって、レーガン大統領は「Civil Liberties Act of 1988」に署名し、差別にあった人々を前に、次の通りスピーチしました。

「……この賠償金で失われた年月を埋め合わせることはできません……我々は間違っていたことを認めます。国家として法の下での平等を再確認します。」

この1月31日にアリス・ウィスラーさん** による「恐れと偏見:第二次世界大戦下での日系アメリカ人強制収容について」と題する講演をkokoka(京都市国際交流会館)で聴講する機会を得ました。いわれなき差別と偏見に基づき、どれほど日系アメリカ人に苦難があったか、被害者とのインタビューと写真とでアピールがありました。講演を聞いて印象に残っている部分は、偏見が起こる理由のひとつに「恐れ」があるという彼女の説明でした。このことは、全ての差別の根本原因に当てはまることなので、少しでも人々の恐れがなくなって、差別に苦しむ人たちが減ればいいなと思いました。

アリス・ウィスラーさんの講演

アリス・ウィスラーさんの講演

講演終了後、なぜ強制収容に興味を持ったかを質問すると、彼女は「これらはアメリカの学校では教えられることもなく、殆ど知られていません。なぜなら、昔に使われていた教科書には、強制収容に関することが多くは含まれていなかったからです。ですから、この悲話を伝えなければならないと思いました。」と答えました。彼女の「Under the Silk Hibiscus」という小説では、ワイオミング州ハートマウンテンでの幼い少年の苦境について、何年もの調査に基づいて書かれています。

*  無料と同等の安い値段で
** 彼女は関西で生まれ育ち、今はアメリカのノースカロライナ州に在住の方です。ホームページはAliceWisler.comです。

古田 富好(ふるた とみよし)、金谷千菜美(かなや ちなみ)

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花やかな春 華やかな芸舞妓舞台

五花街の芸舞妓舞台の特徴    

都をどり

祇園甲部 都をどり

春に京都を訪れれば、桜に染まる古都を満喫するだけでなく、芸妓・舞妓が総出演する舞台に行ってみませんか。普段そう簡単に見られない、本物の芸妓・舞妓による渾身のパフォーマンスが鑑賞できるからです。

鴨川をどり

先斗町歌舞会 鴨川をどり

芸妓と舞妓が活動しているところは「花街」といい、京都には現在祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の五つの花街があり、「五花街」と呼ばれています。10代の女の子はおよそ6年間をかけて、舞妓として日本舞踊、鳴物(楽器)、茶道などの伝統芸能を身につけるだけでなく、接客の方法と行儀も習うといいます。そんな厳しいお稽古の積み重ねが一気に花を咲かせるのは、毎年3月から6月にかけての各花街の公演(「祇園をどり」は11月1日~10日)です。また、今年の6月25日と26日は五花街の合同公演を楽しむことができます。

祇園をどり

祇園東 祇園をどり

その中、最も日本国内外から注目されるのは4月1日から30日までの「都をどり」です。明治維新による東京への遷都をきっかけに、当時の知事は京都再建のために、博覧会を開催することを計画しました。そこで、余興として祇園の芸舞妓のお茶と歌舞を公開しようという提案で、1872年に初めての「都をどり」が開催されました。そのため、「都をどり」は伝統文化の保持と同時に、近代性も取り入れています。例えば、幕を閉めずに背景を変えることで場面を変転するという編成は当時非常に近代的な発想で、「都をどり」の特徴として発展してきました。「都をどり」からバトンタッチされるのは5月1日から24日までの「鴨川をどり」です。同じく1872年に創演され、京の五花街の公演のなかでも上演回数が最も多いです。

立礼式お茶席

上七軒歌舞会 立礼式お茶席

公演は基本的には舞踊劇、純舞踊、フィナーレからなっていますが、その構成と順番は各公演によって違います。例えば、「都をどり」は別踊と呼ばれる舞踊劇を挟みながら、一貫して名所の春夏秋冬を長唄・浄瑠璃・地唄*で紹介する総踊り形式を取ります。それに対して、「鴨川をどり」は舞踊劇と純舞踊の二部構成です。3月25日から4月7日までの「上七軒」の「北野をどり」は北野歌舞伎と呼ばれるほど、セリフが多くストーリー性が強い舞踊劇で有名です。また、京都を舞台にした物語や日本のおとぎ話を基にした美しい舞踊が見所である「京おどり」は今年の4月2日から17日まで宮川町で上演されます。

フィナーレは、色とりどりの着物をまとう芸妓や舞妓が、それぞれ街の楽曲による総踊りで締めくくります。その壮大な場面で、和の美学に魅了されるに間違いありません。

京おどり

宮川町歌舞会 京おどり

チケットは各花街のホームページ等でご確認ください。学生割引のチケットや、お茶席券のついたものもあります。お茶席では舞妓・芸妓による立礼式**のお点前を楽しんでいただけたりもします。

芸舞妓の公演には西陣織の帯や友禅染の着物から、様々な日本舞踊や茶道の流派、昔の面影が浮かぶ花街独特の建築など、日本の伝統文化いろんな面が反映されています。ぜひとも「花やかな」京都の花街の舞踊を見に行ってください。

* 長唄・浄瑠璃・地唄:いずれも三味線音楽で、長唄と地唄は唄もので、浄瑠璃は語物。
**立礼式:椅子に腰かけて行う茶道の点前形式。『大辞林第三版』より

陳 慕薇(ちん ぼび)

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ついつい集めたくなるおまけ

おまけの魅力    

おまけ

おまけ

スーパーやコンビニエンスストアで飲み物やお菓子のパッケージにくっついている品物を「おまけ」といいます。商品のブランドに関連したステッカー、ストラップ、クリップなどがあります。他にかわいくて欲しくなるもの、コップや手ぬぐいといった実用的なもの、ミニカーなどマニアックなものまで様々です。

これらの中には、季節の行事に関連していて、受験の時期には「合格祈願」と書いているもの、バレンタインの時期にはハートに関連したものがあり、小さなおまけが欲しいがため商品を買ってしまいます。たいがいのものは、シリーズで全種類を集めたくなります。数年前の茶摘みの時期、ペットボトルのお茶についてくる付箋を全種類集めた経験があります。

また、お菓子の箱や袋の中に入っている、開けないと見えない「おまけ」もあります。パッケージの片隅に「おまけ」一覧があり、このなかのどれかと分かるものもあります。

「おまけ」は色々なかたちでついていますが、共通しているのは、ワクワク感が抑えられなくて、どんどん商品を買ってしまうということです。またお菓子をはじめ、日本製の商品はパッケージも凝っています。中身よりパッケージで買うか否かを決めることはないですか?「おまけ」が欲しくて、なくてもいい物を買うことはありませんか?皆さんの国では、無料のかわいい小物のために、衝動買いをすることはありませんか?

山下元代(やました もとよ)

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

「kokoコン」- kokokaで婚活パーティ

kokokon

3月13日(日)に「グローバル婚活kokoコン」を実施。日本人、外国人合わせて92名が参加し、ダンスや武術を体験してリラックスした後、おしゃべりを楽しみました。前半のグループトークで気になる人を5人選び、後半のフリートークで本命の1人を選んでもらうことになっているので、みなさん真剣です。その結果、なんと9組ものカップルが誕生しました!素敵な出会いを探している方は、来年3月に参加してみませんか?

外国人のためのカウンセリング・デイ

法律、ビザ、税金、保険や年金などについて、わからないことはありませんか?心の悩みを抱えていませんか?専門家がみなさんの相談にお応えします。通訳者もいます。事前に予約してください。秘密厳守。

  • ◆日時:6月5日(日)午後1時~5時
  • ◆場所:kokoka京都市国際交流会館 3F 会議室・相談室
  • ◆申込: 075-752-3511

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『DISCOVERING KYOTO IN TEMPLES AND SHRINES』

DISCOVVERYING KYOTO IN TEMPLES AND SHRINES

水野克比古ほか共著 
IBCパブリッシング、2014

4月から京都で新生活を送るという方も多いかと思います。気持ちいい春の季節に、京都のお寺・神社を巡ってみませんか。

この本には合わせて48のお寺・神社が紹介されています。まずは、あなたの家の近くにあるお寺・神社を探して訪れてみてはいかがでしょう。きっと癒されてパワーももらって帰れますよー。

新生活がんばってください!

『京都で日本美術をみる [京都国立博物館]』

京都で「日本美術」にふれてみませんか。『京都で日本美術をみる[京都国立博物館]』(橋本麻里 著 2014、集英社)では、京都国立博物館の「平成知新館」で見られる作品115点がピックアップされています。みなさんの国の美術作品と比べてみるのも楽しいかもしれませんね。この本を読んだあとは、ぜひ本物の京都国立博物館へも足を運んでみてください。

kokoka からもそんなに遠くない場所にありますよ。

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

生田 稔 / 王 月瑋 / 王 暁琴 / 大薮 俊一 / 金谷 千菜美 / 鈴木 翔一朗 / 鈴木 秀利 / 陳 慕薇 / 西村 誠 / 藤田 リサ / 古田 富好 / 山下 元代 / 湯澤 公朗 / Karl JANSMA / Yoshinori TAKEDA

WEB版作成

金谷 千菜美

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