伝統と革新の間で:京都にて

ロシア国旗

コヴァレヴァ・アンナ(ロシア)


アンナさん

アンナさん

哲学の道と京都駅    

京都は、1200年以上にわたり日本の古都として栄え、文化遺産で有名な街です。私は、「日露青年交流センター」の研究生として過ごした京都大学での9ヶ月間の研修期間中に、むかし平安京と言われた、この安らぎと静けさの都に、心の底から夢中になってしまいました。では、この街の今日とこれまでの歴史とが、どのように共存できているのでしょうか。私の体験をもとに、お話ししてみましょう。

幸い、私は京都大学吉田キャンパスの学生寮で暮らしていました。この地域は、研究や自分自身の内面を省みるにはまたとない所で、絵のように美しい木々におおわれた山々が毎日見えていました。その中の銀閣寺近くにある丘の一つには、そこから始まる哲学の道と言う、良く知られている遊歩道があります。京都大学の教授で哲学者でもあった西田幾多郎は、自らの学問を追究するため、この道の散歩を日課としていました。哲学の道は、季節や昼夜を問わず何時歩いても、とてもすてきな散歩道です。気分をすっきりさせたくなると、私はたいてい、その道へ自転車を走らせました。日の出や日の入りを見たり、雲の流れをたどったり、ベンチに座って見下ろしながら、街の景色を眺めたりするのが楽しかったのです。面白いことに、道の南端の方では、私が猫の哲学者と呼んでいた、ほど良い距離を置きながらも相手になって欲しそうな、人懐っこい猫たちに出会うことがあります。疏水沿いに全て歩いても約30分の道程で、近くにはお寺や神社も多く、また途中には観光客目当てのカフェやお店などが、たくさんあります。でも私は、果てしない時の流れと歴史の本質とを、特に強く感じる夜更けに好んで、この哲学の道を訪れました。

哲学の道沿いの疎水

哲学の道沿いの疏水

哲学の道から見える夕焼け

哲学の道から見える夕焼け

私の見たところ、今の京都のシンボルの一つは京都駅です。来日前から、それが現代の高層ビルを象徴していることは承知していましたが、この駅ビルに多くの機能を持たせたアイディアには、思わず嬉しくなりました。2階の南北通路には、ちょっとした臨時の展示場があり、電車を乗り降りする時の通りすがりに、たくさんの興味深い物を見ることができます。京都伊勢丹百貨店では、さまざまな展覧会がいつも開かれています。注意していると、夜にライトアップされた京都タワーに見惚れたり、他の美しい景色をたくさん見ることができる屋上の「ハッピー・テラス」に気付くでしょう。さらに、乗客を次々と送り出す、質が高くて能率的な日本の鉄道制度を私はいつも素晴らしいと思っています。私は調査のため、幾つかの所へ視察に行ったり、ちょっと面白そうな冒険の旅に出たことがありますが、日本の人たちは、とても親切で目的地に無事に着くように、いつも私に手を貸してくれました。

京都駅の大階段

京都駅の大階段

従って、哲学の道と京都駅は、永く続いてきた時と現在の時を象徴するものだと思います。桜の花の美しさがアッという間に変っていって、皆さんが時の移ろいを覚える花見の後には、このわずかな時の尊さを、私は心の奥で強く感じ取りました。

そして私は、やっと気付いたのです。誰でも自分だけのすてきな瞬間に出会え、伝統を守りつつ、新しさも受け入れていく京都の街 で、私は今、暮らしているのだと。


和訳:Koh

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現金を入れる可愛く美しい袋

特別な時にお金を渡す時の心遣い

ポチ袋(両端)とのし袋(中央)

ポチ袋(両端)とのし袋(中央)

3万5241円。京都中央信用金庫が2015年に行ったアンケート結果によると、この金額は、大学生までの子供たちが受け取った「お年玉」の平均額だそうです。日本では、お正月に両親や親戚から子供たちに「お年玉」という特別なお小遣いがプレゼントされます。小学生なら3000円、中学生なら5000円、高校生や大学生なら5000円から1万円程度の「お年玉」を大人から受け取ることを子供たちは期待しています。大人全員からもらった「お年玉」の合計平均が3万円を超えるなんて、子供たちにとっては素晴らしいお正月の習慣ですね。

「お年玉」は、現金をそのまま手渡すのではなく、ポチ袋という小さな紙の袋に現金を入れて、大人から子供たちへプレゼントされます。デパートや文具店では、可愛いデザインのポチ袋が何種類も販売されています。この「ポチ袋」の「ポチ」とは、もともと関西地方の方言で、「わずかな」を意味しますが、その袋の中に入れる現金が5000円や1万円となると、もはや「わずかな」金額ではないですね。

日本では、現金をむき出しで手渡すのは失礼だと考えられています。結婚、出産、入学などのお祝いに現金を渡す時には、必ず「のし袋」という美しくデコレートされた袋に現金を包んで渡します。「のし」とは、アワビを伸ばして乾燥させたものです。大昔、「のし」は貴重な縁起物と考えられ、神社への奉納品や結納品として用いられました。面白いことにアワビは今でも貴重品です。そのステーキはとても美味しいのですが、それにも増して値段が高いので、なかなか食べることができません。「のし」は「のし袋」の右上に付いている小さな飾りの中に差し込まれています。でも、今では本物のアワビは使われていませんので、それを水に漬け込んだとしても、美味しいアワビのおやつを手にすることはできません。

西村 誠(にしむら まこと)

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日本の忘年会と新年の行事

外国人から見た日本の年末年始の行事

忘年会

イラスト:水江 加奈子

年末のパーティと新年のお祝いは、世界中でもっとも一般的な行事で、おおよそ文化と同じ数だけ様々なやり方があります。私が初めて、「忘年会」という、年末に日本全国でよく開かれる行事のことを聞いた時、それは年齢を問わず友達(または、恋人)を作れる行事なのだと思いました。なぜかというと、中国語では「忘年」という単語は「年齢に関係なく」という意味だからです。

日本の忘年会というのは、年末に行われる集まりのことで、同僚、あるいは同じクラスの学生たちが集まってお酒を飲んで、酔い、思っていることを素直に打ち明けて、その年の苦しみや問題を忘れるためのものです。私のアメリカ人としての見方からすると、忘年会ってちょっと変な感じがします。というのも、どうしてその年のことを忘れようとするのでしょう?それよりは、前を向いて、新しい年がくれるチャンスを心待ちにするほうがいいんじゃないでしょうか?でも、そうした考え方の違いを置いておくと、忘年会はアメリカの会社で開かれるクリスマスパーティや、年越しのお祝いと、もっとも似ていると思います。

そのほかのもっと日本的な新年行事は、私の聞いたところでは、アメリカのクリスマスのお祝いに似ているようです。日本では、年末年始の休みは家族とともに過ごしたり、過去のことを振り返ったり、感謝の気持ちを表したり、新年の準備をしたりします。その準備には、部屋を掃除して清め、ご利益のある神様を迎え入れるということを含みます。大晦日は、長生きを願って一碗のそばを食べて過ごします。それに、近くの神社やお寺に行って、新年のご利益を受けるのも習慣になっています。同僚・親戚・友達・恋人は互いに年賀状(新年の手紙)を送りあい、新しい年に最初に会ったときは、「あけましておめでとうございます!」(日本語における ”Happy New Year!” にあたります)といって挨拶をするのです。

ニコール・ベルトッツィ、王 月瑋

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京都でタバコを吸いたいなら......

京都で喫煙できる場所

市内中心部の喫煙所(四条西木屋町)

市内中心部の喫煙所(四条西木屋町)

京都市は条例により、路上での喫煙をしないよう定めています。市内の指定された地域で路上喫煙をすると、過料を徴収されます。指定された地域は、市中心部、清水・祇園周辺、そして京都駅周辺と定められています。でも、京都の町ではまったくタバコを吸うことができないというわけではありません。市内の少なくとも11ヶ所に喫煙所が設けられており、そこでは喫煙することができます。また、屋内、とくに飲食店・レストランなどでは、店によって喫煙に関してルールが決められていて、店内の決められた席や場所であれば喫煙できることもあります。いずれにしても、決められた場所で喫煙することを心がければ、問題にはならないでしょう。

路上喫煙に対する過料徴収地域と、喫煙できる喫煙所の地図、そして関連する情報は、京都市のウェブサイト *(日本語)か、Kyoto Travel のウェブサイト **(英語)で見ることができます。

* http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000027498.html

** http://kyoto.travel/en/traveller_kit/tools_smoking

Sho

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ごみの分別リサイクルが義務化されました

リサイクルは各人の責任です。

雑がみ

雑がみの入った袋

家庭ごみを減少するため、京都市は2015年10月1日付けで、紙類の分別を義務化しました。缶・びん・ペットボトル・プラスチックといったごみ(*1)に加えて、リサイクル可能な全ての紙類(*2)を分別しなければなりません。紙類を出すときには、紐でしばるか紙袋に入れます。古紙回収業者も、これまで収集が徹底されていなかった「雑がみ(*2)」の回収を行います。回収車には、その旨を表示しています。「雑がみ」の多くは、これまで焼却されてきましたが、今後は分別することで、焼却ごみ量は減ります。分別しているかのチェックのためごみ袋を開けるのかを心配する市民もいるでしょうが、その心配はありません。回収スタッフは疑問のあるごみ袋を開けずに残しておき、「収集できない」と書いたシールを貼っておきますので持ち帰って改めて分別してください。理由が分からないときには、下記事務所に問い合わせてください。万一、開けるときには収集施設で、責任者が立ち会って開けます。ごみを減らす(リデュース)のみならず、リサイクルを進めて、京都の美しさを守りましょう。

*1 ごみの分け方・出し方については以下を参照してください:

Web ⇒ http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000187/187235/tadasii.pdf

Tel ⇒ 075-213-4930(京都市環境政策局循環型社会推進部ごみ減量推進課)

*2 リサイクル可能な紙類とは、新聞・雑誌・ダンボールと雑がみ(チラシ・カタログ・封筒など)

古田 富好(ふるた とみよし)

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便利で安全になった京都市営地下鉄

終電延長と可動式ホーム柵の設置

太秦 麗(うずまさ れい)

地下鉄・市バス応援キャラクター
太秦 麗(うずまさ れい)

(画像提供:京都市交通局)

皆さんは京都で地下鉄に乗ったことがありますか?京都市営地下鉄は通勤、通学、観光、買い物に便利なので、利用している人は多いです。私も通勤で京都市営地下鉄を利用しています。

便利になったという点についてですが、皆さんは「京都の地下鉄の終電は早すぎる」と思ったことはないでしょうか?実際に、京都市営地下鉄は、全国の地下鉄の中で終電が早いもののひとつと言われていました。そこで、10月2日から、烏丸線と東西線の両路線で、終電の利用が一番多い金曜日限定で、各方面1便ずつ増便され、終電が30分延長されました(年末年始とお盆期間は除く)。増便された列車の愛称は、地下鉄深夜便「コトキン・ライナー」です。「コト」とは、古都京都のことで、「キン」とは、金曜日のことです。各駅の時刻表は、京都市交通局のホームページ* を確認してください。

安全面についてですが、ホームの転落事故や列車との接触を防ぐために、烏丸線のいくつかの駅で可動式ホーム柵が設置されました。初めに柵が設置されたのは、烏丸線の烏丸御池駅で、昨年の12月でした。この可動式ホーム柵が、10月10日から四条駅でも利用が開始されました。また、地下鉄京都駅で設置されている可動式ホーム柵は、12月12日から利用が開始される予定です。東西線には、開業当時からホームドアが全駅に設置されています。市内へのお出かけには、より安全で便利になった京都市営地下鉄(烏丸線・東西線)を利用してみてはいかがでしょうか?

* http://www.city.kyoto.jp/kotsu/tikadia/tikatime.htm

金谷 千菜美(かなや ちなみ)

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

クラウドファンディング

kokoka 展示室のリニューアルのために、皆様のご好意による支援をお願いします!

絵本展

アートによる国際交流、人や作品の出会いの場としてのkokokaのギャラリーを一層活性化し、皆様にとって使いやす い施設にするための取り組みです。


応援してくださったあなたへの特典:

  • 3,000 円で kokoka オリジナル付箋
  • 5,000 円で kokoka オリジナル付箋、エコバック
  • 10,000 円でkokoka オリジナル付箋、kokoka HPにお名前掲載(希望者)、
              レストラン 「Tsumugi」 ランチ券1枚

◆期間:2016年1月31日(日)まで
◆目標金額:140 万円
◆詳しくは http://readyfor.jp/projects/kokoka
(公財)京都市国際交流協会 TEL:075-752-1187(担当)、FAX:075-752-3510
メール:office@kcif.or.jp
HP:www.kcif.or.jp

予告:kokoka 案内倶楽部企画 「京都清宗根付館ツアー」

美術館 展示室

美術館 展示室


根付 取り付け例

根付(左)と取り付け例(右)

江戸時代、印籠・煙草入れ・胴乱・巾着などの「提げ物」を携帯する際、その紛失や盗難を防ぐ必要から発明されたのが「根付」です。提げ物を紐で帯に吊し、もう一方の先に根付を取り付けて留具としました。象牙、木、鹿の角、陶磁器、金属や漆を素材として、日本人独特の器用さで精巧な彫刻が施されています。

現在では、京都には根付を作る人はいませんが、「京都清宗根付館」という根付の美術館があり、そこでいろいろな根付を見ることができます。2016年2月頃には、kokokaボランティアグループ「京都案内倶楽部」が、根付館の見学ツアーを実施する予定です。京都案内倶楽部は、定期的に京都を紹介するツアーを行っていますので、HPで情報を確認してみてください。


http://www.kcif.or.jp/HP/jigyo/volunteer/jp/club/news/index.html
テキスト:京都 清宗根付館パンフレット、kokoka 職員

写真:京都 清宗根付館

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『図書館のしごと よりよい利用をサポートするために』

図書館のしごと

国際交流基金 関西国際センター、2013

「寒い冬こそ図書館で日本語を勉強するぞ!」と思っている人もいらっしゃるでしょうが、今回はそんな「図書館」にスポットをあててみました。

この本を読めば、図書館の業務や役割について、おわかりいただけるのではないでしょうか。kokokaの図書室も、みなさんをサポートできるようにこれからもがんばりつづけます! 暖かい図書室へぜひ足を運んでくだ さいね。

『美しい知の遺産 世界の図書館』

世界には素晴らしい図書館がたくさんあります。

『美しい知の遺産 世界の図書館』(河出書房新社、2014)には、古代メソポタミアから現代の最新図書館まで、多くの図書館がオールカラーで紹介されています。この本を読んで「世界の図書館めぐり」をしてみてはいかかでしょうか。オススメの1冊です。

library

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

生田 稔 / 王 暁琴 / 王 月瑋 / 大薮 俊一 / 岡本 裕子 / 金谷 千菜美 / 塩山 皐月 / 鈴木 翔一朗 / 鈴木 秀利 / 西村 誠 / 陳 慕薇 / 藤田 リサ / 古田 富好 / 水江 加奈子 / 山下 元代 / 蘇 揚鈞 / 湯澤 公朗 / Karl JANSMA / Nicolle BERTOZZI / Yoshinori TAKEDA

WEB版作成

蘇 揚鈞

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