京都:面白い町

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ガネシュウォー・オーザ (ネパール)


ガネシュウォー・オーザ

私が初めて京都を訪れたのは8年前のことで、愛媛大学からのツアーでした。私は金閣寺の壮大な景色に魅了されました。今も、近くの池にその姿を映した金閣寺の写真を持っています。最も印象的だったのは、庭園でたまたま舞妓さんを見たことです。それは、とても珍しいことです。

山に囲まれた清水寺の光景は見事でした。その雰囲気は、特にたくさんの紅葉によって魅力的なものになっていました。私が京都市の町並みを眺めながら道を下りていくと、人々が音羽の滝の水を飲むために列を作っていました。大学職員の方が、水を飲んだ人は願いが叶うと説明してくれました。

それから長い間、これらの思い出は私の心に残っていました。京都は私にとって、平和で美しい町、天国のようなところでした。予想外のことですが、今私は外国人学生として京都に住んでいます。そして京都の魅力は決して衰えていません。

私は住んでいた東山から同志社大学まで自転車で通っていたので、春には毎日満開の桜並木を通りました。新鮮な空気を味わう喜びに、私は夢中になりました。また鴨川沿いを自転車で通る時に、澄んだ水の中を魚が泳ぐのも何度も見ました。

鴨川

鴨川

最近大学近くに引っ越したのですが、新しい住まいがのどかなお寺の近くにあることを知りました。私はまだ京都の多くの場所に行けていませんが、この町は文化的にとても豊かです。あなたがどこにいても、歴史的な建物が近くにあります。例えば、私は京都御所(御苑)を訪れたことがあります。大学のすぐそば にあるからです。大学を出るとすぐに、広大な京都御所(御苑)に入れて、まったく違った雰囲気の所へ行くことができます。歴史的な場所と近代的な場所の両方が楽しめる、これが京都の面白いところです。

京都にはたくさんの大学があり、日本有数の学問の町です。私が日々研究しているのは同志社大学です。最先端技術に支えられた豊かな学術的雰囲気と整えられた学習環境、専門性の高い教授陣、これらは世界中から集まる学生にとって、喜ばしいものです。

私は同志社大学のグローバル・スタディーズ研究科に在籍していますが、世界中から専門家が集まるセミナー、会議、ワークショップや授業は、ここではいつものことです。

京都は最近やってきた妻にとっても過ごしやすい場所のようです。妻は都会の人込みや大気汚染には耐えられませんでした。すぐに車に酔うので、旅行も嫌がっていました。私が驚いたことに、妻は今、京都市バスで旅行をするのが大好きです。私たちは彼女の車酔いが、質の悪い燃料を使う車両による排気ガス で引き起こされることを知りました。京都が近代化されても、このままの良い環境をずっと保ってくれることを願っています。

訳:岡本 裕子

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伝統芸能「能」をもっと身近に(後編)

𠮷田篤史

𠮷田篤史さん

今号も、引き続き能楽師の𠮷田篤史さんに「能」についてお伺いします。前号では「能」についての基本的な説明、それを観る際の楽しみ方、代表的な演目についてお伺いしました。

~ 2013年12月号・2014年1月号(前編)から続く~

Q. 観阿弥・世阿弥親子が時の将軍・足利義満(1358~1408)に重用されたのを始めとして、「能」は武士の間で愛好され、庇護(ひご)されてきた芸能と言われています。どのような理由によるものでしょうか?

A.「武士の生き方と能の考え方がマッチしたということだと思います。武家の仏教であった禅宗の影響がひとつ考えられます。能には禅の思想がうかがわれますが、戦国時代の武士にとって、殺生を戒める一方で亡くなった人も弔うことで浮かばれるという教えは心の救いになったのでしょう。また、武士が天下を治めるにあたって文化の力が必要となったときに能が利用されたという側面もあると考えられます。後には豊臣秀吉(1537 ~ 1598)や徳川家康(1543 ~ 1616)といった歴代の権力者から愛好され、式楽(公式の音楽隊)として定着したのは徳川幕府の時代です。戦いはしませんが、能楽師の当時の地位は武士でした。」

紅葉狩り

紅葉(もみじ)狩り

Q. 長い歴史を有する「能」ですが、現状と今後の展望をお聞かせください

A.「明治維新以降、特に戦後は生活習慣の西洋化などに伴って日本古来の芸能が日常から遠ざかってしまった感があります。そろそろ日本の豊かな文化を日常生活に取り戻してもよい時期ではないでしょうか。日本には連綿と続いてきた歴史があり、能は日本の神話や歴史、宗教などを包括した芸能です。近年は、これまでの伝統を守りつつ一層の芸の向上に取り組み、より多くの人に世界無形文化遺産にも登録されている能の素晴らしさを伝える活動を行っています。謡のお稽古や入門についても、もちろん外国の方にも門戸は開かれています。まずは是非一度能楽堂まで足をお運びください」

能

「能」を見たとある人の感想…「能楽師さんが能面をつけたことで美しい若い娘さんに見えて、花びらを周りに感じました。感動しました。」…!

観劇後に何を感じるかはあなた次第、五感を研ぎ澄ましに「能」を見に行きませんか。

能楽師 𠮷田篤史さんのプロフィール

シテ方観世流準職分。1974年生、京都府向日市在住。
幼少より京都・井上嘉介師、井上裕久師、祖父 𠮷田佳弘、父 潔司に師事。
3歳「鞍馬天狗」花見にて初舞台。同志社大学在学中に井上師の内弟子として修行。 2001年に準職分を取得し、独立。石橋・乱・千歳・道成寺を開曲。𠮷田嘉謡社副社主として、自主公演する等の演能活動の一方で、稽古場を持って謡曲・仕舞の指導を行っている。2011年地元向日市にて、ひまわり栄誉賞を受賞

インタビュアー:生田 稔,川井 美登里,Koh
記事:川井 美登里

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ものづくり京都 - 先端デジタル染色技術

歴史あるところには総合力があると申します。京都は千年の都として、天皇が住み、政治経済の中心地であったのみならず、多彩な文化が育まれ、それの中にものづくり文化があります。

明治維新により、京都から東京に遷都(*1)されました。その際、京都は淋しくなるかも知れない状況を何とかしようと、御所を観光客も市民も訪れる公園(*2)としました。また、日本で二番目の帝国大学として京都大学が設立され、その後も多くの学術機関が設立され、それぞれがサポートしあいながら、今日に至っております。

アパレル向けデジタル染色技術

写真1:アパレル向けデジタル染色技術

ものづくりについては、京都で創業して世界に羽ばたいた企業は、理化学機器に始まる島津製作所、西陣の染料問屋に始まる長瀬産業、陶磁品に始まる京セラが知られています。いずれも伝統産業を活かしながら、技術革新を続けてビジネスを発展させています。京都には、色んな学術分野で業績を挙げ得る風土があります。ノーベル賞につきましては、理論物理学の湯川秀樹博士に始まり、化学の福井謙一教授、島津製作所の田中耕一フェロー、素粒子物理学の益川敏英教授に続き、昨年は生理学医学分野における山中伸弥教授など、受賞者を多数産んでおります。

京都市産業技術研究所 http://kitc.city.kyoto.lg.jp/ は旧染織試験場と旧工業試験場を組織統合して、2003年に設立されました。京都の「ものづくり」文化を継承しつつ、域内の中小企業に対する技術支援に取り組んでいます。ここでいう「ものづくり」とは、限られた工業技術のみを指すのではなく、伝統工芸までも含んでいます。この視点に立って、人材を育成するとともに、伝統技術から先端技術まで幅広い分野の研究開発と技術支援に取り組んでいます。西本研究所長は、「京都には、いつの時代も先代を超える画期的な技術革新が生まれる土壌があります。だからこそ500年も継承される伝統技術にまで成熟し得るのです。」と強調されました。また、最近のトピックスのひとつとして、同研究所が開発した「先端デジタル染色技術」を挙げられました。

長瀬産業のDENATEX工房

写真2:長瀬産業のDENATEX工房

京都の色彩は、四季折々の自然に加えて、衣装にも見られ、それを実現する染色は重要な役割を果たしてきました。美しい染色技術と同時に、最近は、染色に伴う排水をなくすゼロエミッション(*3)技術の開発が期待されてきました。同研究所の早水部長は、プリンターでのカラーレーザーの原理を応用し、デジタル染色技術の試験研究を重ね、アパレル向け(写真1)に開発しています。他地域からも引き合いがあり、技術面で支援しているそうです。

和傘

写真3:和傘

また、長瀬産業のDENATEX (http://denatex.jp/)工房は、早水部長と共同研究し、高品質・低コスト・ ゼロエミッションのデジタルプリントシステムを開発されました。京都では、和傘(写真3)を商品化されました。同工房の責任者である大硲さんは、長瀬産業のオリジナルトナーと組み合わせて、ポリエステルの不織布やポリエステルフィルムにも広げたい、と話されました。

京都の伝統産業に革新を吹き込み、大いなる発展を期待したいものです。

*1 天皇や公家が他地域に移ること
*2 公家屋敷跡に植樹して観光客や市民が楽しめるよう整備
*3 有害成分、廃棄物の排出をなくし、地球環境を保全する行動

古田 富好(ふるた とみよし)

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南座・歌舞伎体験イベント「歌舞伎ミュージアム」

平成25年吉例顔見世興行

平成25年吉例顔見世興行

南座・歌舞伎ミュージアム

南座 歌舞伎ミュージアム

歌舞伎の始まりは、1603年(慶長8年)に、出雲の阿国という女性が、京都の四条河原で始めた歌舞伎踊りにあると言われています。それから時代と共に少しずつ形を変えながら、他の芸能の影響も受けつつ、今日に至るまで洗練されてきました。南座は江戸時代初期、その歌舞伎発祥の地のほど近くに建てられ幕府より官許を得た七つの劇場のうちの一つです。各劇場のうち、あるものは焼失し、あるものは廃座となりましたが、南座は歌舞伎を上演し続けている唯一の劇場となり、1996年(平成8年)「登録有形文化財」に登録されています。

2018年に発祥400年を迎える南座では今年の4月に、イベント「歌舞伎ミュージアム」が予定されています。私たちは、昨年の秋に「歌舞伎ミュージアム」の「特別舞台体験」に、参加することができました。

歌舞伎

『御摂勧進帳―暫―』
熊井太郎=尾上松緑

このプログラムでは、「廻り舞台」、「迫り」、「花道」といった、歌舞伎独特の舞台機構について説明を受けながら、実際に舞台に上がったり、体験したり、その様子の写真を撮ったりすることができました。外国から来て、日本語が分からない人でも貴重な時間になることは間違いありません。「廻り舞台」を体験することや、普段は目にすることが出来ない舞台から見える観客席の光景を目にし、熱いくらいに照りつける照明などには、独特の臨場感があり、きっと言葉を超えて感じるものがあるでしょう。

3月、4月に南座」にて開催されるイベント

3月2日~3月26日「三月花形歌舞伎」
 出演: 尾上松緑、尾上菊之助
 昼の部 11:00、夜の部 16:00 開演

4月24日~29日「歌舞伎ミュージアム」

詳細:http://www.shochiku.com

協力・写真提供:松竹株式会社

大原 学(おおはら まなぶ)、鈴木 翔一朗(すずき しょういちろう)

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新年午(馬)年、願いを載せて駆け巡れ!

今年の干支(えと)は午(馬)年

馬

干支(えと)とは古代中国でつくられた考え方です。十干と十二支とい う組み合わせに基づき、時間については60年を一つのサイクルと考えます。干支の動物は12種類いて、毎年順番に基づいてその年の「動物」が決められます。日本もこの考えにしたがい、年の始まりには、その年の干支の動物にちなんだ物を飾ったり、年賀はがきにその年の動物の絵を描いたりします。

日本にとっての「馬」と絵馬

絵馬

絵馬(えま)

さて、今年の干支は「午(馬)」です。皆さんは、「馬」について どのようなイメージがあるでしょう。馬は大昔から多くの人々の生活に欠かせない存在だったためか、世界各地で「聖なる生き物」とされていたようです。日本でも昔、馬は「神様のつかい」として扱われていました。そこから神社に「馬」を送るという習わしができたようです。奈良時代の文献、『続日本紀』にも、神のつかいである馬を神社に奉納するという記録があります。しかし、「馬を送る」習わしは、送る方も、送られる神社のほうでも、負担の多いものでした。そこでその習わしが簡略化されて登場したのが、神社にたくさんある「絵馬」です。やがて、本物の馬を送る代わりに、木に馬の絵を描いた「絵馬」を送るようになっていったのです。こうして神社で神様にお願い事をするとき、または、お願い事がかなったときに「絵馬」を神社に奉納する習慣ができました。日本で神社に行ったことのある人なら目にしたことがあると思いますが、今や絵馬には様々な種類があり、「馬」ではないものが描かれた絵馬もあります。たとえば、狐を祭った稲荷神社では「狐」の絵馬が、歴史上の人物を祭った神社ではその「人物」を描いた絵馬が奉納されています。

絵馬に願い事を書いてみよう

新しい一年が始まって、新しい目標が立ったという人は、神社に行って願い事をするのもよいでしょう。その際に、「絵馬」を利用してみてはいかがでしょうか。今年は馬年なので、きっと絵馬もいつも以上にはりきって皆さんの願いを神様に届けてくれることでしょう。

富田 美乃里(とみた みのり)
イラスト:Yehua

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

グローバル婚活 koko コン

kokoコン

幸せはあなたが呼ぶのを待っています!

いろいろな文化を体験しながら、素敵なパートナー探しをしてみませんか?kokoka ならではの企画が盛り沢山! kokokaは言葉や文化を超た新しい出会いを応援しています。

◆日時:2014年3月9日(日)午後2時~ 6時
◆場所:kokoka 京都市国際交流会館
(地下鉄東西線「蹴上」駅より徒歩6分)
◆対象:30、40歳代の独身の日本在住の外国人。30、40歳代の京都在住または京都に勤務している独身の日本人
◆定員:男性50人・女性50人
*応募多数の場合抽選となります
◆参加費:3,000円(飲み物・軽食を含む)
◆内容:ワークショップ・クイズ・交流パーティなど
お申込み・お問い合わせ:kokoka 京都市国際交流会館
◆TEL 075-752-3511
e-mail: office@kcif.or.jp

外国人のためのカウンセリング・デイ

法律、ビザ、税金、保険や年金などについて、わからないことはありませんか?心の悩みを抱えていませんか?専門家がみなさんの相談に、お応えします。通訳者もいます。事前に予約してください。

◆日時:2月23日(日)午後1時~5時
◆場所:kokoka 京都市国際交流会館 3F会議室・相談室
◆申込:075-752-3511

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『京都 さくら帖』

京都 さくら帖

写真:橋本健次、2009年 光村推古書院

 桜は、日本人に最も愛されている木と言ってい いでしょう。桜の花が咲く季節には、外国からもたくさんの人が日本を訪れるほどです。

京都には多くの名所があり、桜を見に日本中から人が集まってきます。kokoka の近くでは、南禅寺やインクライン、平安神宮、哲学の道などが有名です。

この本には地図もあってわかりやすいうえに、ちょっと休憩できるすてきなカフェや、おみやげも紹介されています。

寒い冬を超えて待ちに待った桜を見に、いろいろなところへ出掛けましょう!

関東地方の桜

もちろん、京都以外にも桜の美しい場所は日本にたくさんあります。『心を揺さぶる桜の名木100選 -関東とその周辺-』(大貫茂著 2007、ダイヤモンド社)では、関東地方を中心に、お寺や公園の桜を紹介しています。桜に関するコラムもありますので、読みごたえがありますよ!

kokoka2F 図書・資料室では“としょレターコーナー”をつくりました!ぜひ手に取って読んでみてくださいね。

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今号を作ったボランティアのみなさん

編集メンバー

東 馨子 / 生田稔 / 岡本 裕子 / 大原 学 / 川井 美登里 / 呉 映雪 / 鈴木 翔一朗 / 鈴木 秀利 / 富田 美乃里 / 古田 富好 / 山下 元代 / 湯澤 公朗 / 葉 姿汝/ Guneshwor OJHA/ Karl JANSMA / Michiru ONIZUKA / Kevin ROBERTS / Megan ROBERTS / Daniel SETTELEN / Juan VACA

WEB版作成

大薮 俊一

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