鴨川

中国国旗

蒋 妍(中国)


鴨川

私の出身地は中国の真ん中にあり、川や湖があまりないため、水に特別な感情を持っている。特に、鴨川が大好きだ。

初めて京都に来たとき、友達に案内してもらって、出町柳の近くの鴨川にそって、散歩した。その時出会った、着物を着ている男性の後ろ姿が、ずっと記憶の中に残っている。背が高くて、シュッとして、帯の後ろに扇子を挿していた。すごく上品で優雅なイメージだった。

その後、京都に来てからも、よく鴨川に行った。特に気持ちが落ち込んだとき、研究が行き詰まったとき、やる気がないとき、よく鴨川の近くに行った。春の鴨川で、桜に囲まれる。夏の鴨川で、よく水遊びをしている子供たちが見られる。秋の鴨川で、緑も依然残っている。冬の鴨川で、すこし寂しさを感じる。

三条あたりの川沿いに座ると、よくカップルが見える。時々、バンドとかも聞ける。わいわいしている人たち、緩めに流れている川。神宮丸太町の近くに行ったら、時々、ある京都舞踊のサークルの練習にであう。一生懸命に練習している若者たち、なんか楽しそうで、青春の若さが感じられる。私はただ川沿いで座って、走っている人、自転車に乗っている人、犬の散歩の人、楽器を練習している人などなどを見ている。そして、水をずっと見ていた。「人は二回同じ川に入ることがない」という、昔習った哲学の話を思い出した時もある。それだけで、気持ちは穏やかになる。

鴨川は人々に「場」を提供していると思う。カップルにデートの場、バンドの人にパフォーマンスの場、若い大学生に集まりの場、スポーツの人に走りの場、さらに、私のような人に心を穏やかにする場。京都で暮らしている人たちは、この鴨川に恵まれて生活して いるのだ。

鴨川

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目を閉じないと見られないもの、なーに?

書道教室

<前号のつづき>

2012年4月19日、あれもこれもと思案しているうちに石巻に行く日が来ました。1回目の書道教室には20人ぐらい来ました。たいていは60代の人達でした。方言が分かりにくくてコミュニケーションが難しかったですが、皆さんの笑顔と行動で暖かい気持ちで迎えてもらったように感じられました。皆さんは小学校以来、筆で書く機会があまりなかった、とのことでしたが、楽しんでいただけたのでよかったです。そして、私がその場で書いた「夢」の漢字を手本にして書いてくださったり、楽しんでいただきました。2回目は人数が少し減りましたので、かえって、もっとゆっくりと楽に書いたり話をしたりできました。そして、参加者の中には1回目に来た人が6人いました。その人達は書道教室をこれからも続けることを希望されていました。その方達の希望が現実となって石巻に書道サークルが立ち上がり、毎月書道の集まりができるようになりました。書道を通して住民のコミュニティが新たに形成されることになり、主催した団体の人達もとても喜んでくれています。

被災して大変な被害を受けた人々の問題について、これまではメディアを通じて知る情報に驚いていました。でも、今回書道を通して自分で見に行くことができ、被災した人たちの気持ちをよりはっきりと深く感じられたと思います。私が京都にいるうちは、石巻の特に仮設住宅に入居されている人々の中に、明るくて人生を楽しみたい人がいる、そういうことがなかなか思えませんでした。本当に石巻に行ったことで素晴らしい人間的な経験をすることができたと思っています。これからも何らかの形で石巻に書道を伝えたいと思っています。

*目を閉じないと見られないものは「瞼の裏」です。あるいは、「夢」です。

シルビー・オダン

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日本と中国のお正月

初詣

初詣(はつもうで)

日本での生活ももう二年になりました。今年は日本で新年を迎えましたが、日本でのお正月は、中国人である私にとってとても新鮮で印象的なものでした。

日本では、クリスマスを過ぎるとすぐに新年を迎えるための準備が始まります。人々は親戚や友人に年始の挨拶と健康や幸福を祈る年賀状を送ります。大晦日になると、多くの人が初詣のために神社に行き幸福を祈ります。このような光景を見ると、日本の新年が特徴的です。昨年の大晦日の夜には、友達と一緒に年越しそばを食べて、紅白歌合戦を見て、平安神宮へ参拝に行きました。そこで神社での参拝の作法を教わり、日本でのお正月の雰囲気を体験することができました。

元旦が近づくと、京都の町を歩いて、あちこちの建物のドアに、ミカンや、伊勢エビ、昆布などで飾られた注連飾り(しめかざり)が掛けられていることに気づきました。また、玄関の前や門の前には門松が飾られていました。これらは歳神を迎えるため飾られるものです。

日本の新年と比べると、中国の新年にはいくつか異なる点があります。

春聯

春聯

例えば、中国では、旧年の最後の日が「除夕(チュウシー)」と言い、日本の大晦日に当たります。夕方、ドアに春聯「シュンレン」(対聯「タイレン」)という札を貼っておきます。春聯(対聯)には新年の祝福を祈る言葉が書かれています。他にも、窓に “福” という字を逆さまに貼っておきます。これは「幸福が到来するように」という意味を持ちます(中国語で「逆さま」と「到来する」との発音が同じだからです)。夜になると、家族全員が集まって晩御飯を一緒に食べます。晩御飯のメニューは各家庭によって異ことなりますが、欠か かすことができないのが魚料理です。なぜなら、「魚」と「余」の発音が同じ(中国語で「イウ」と言う)ということから、魚料理には、「毎年余裕があるように」という祈りがこめられているからです。その後、中国でも日本の紅白歌合戦と似た番組も放送しているので、それを家族と一緒に見ます。

そして、新年が間近になった時,爆竹を鳴らします。これは中国の新年の慣例です。みんなが爆竹の音を聞きながら新年を祝います。

正月のはじめ、水餃子を食べたら、新しい服を着て、親戚を訪ねて新年の挨拶をします。子供たちは目上の人からお年玉をもらって喜びます。このような新年の雰囲気が正月の15日まで続きます。

梁 珊(りょう さん)

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コズモズ・ジャパン

コズモズ・ジャパン

京都に古くからある酒蔵の街の片隅に、本格的なアメリカ料理を出す「コズモズ・ニューヨーク・カフェ」という名のちょっと変わった店があります。何なによりも変わっているのは、スタッフ全員が、より良い世界を目指して働いているボランティアであるということと、売上はすべてコズモズ・セカンド・フードバンクへ送られるということです。

では、フードバンクとはなんでしょうか?なんのために、そして、なぜ、必要なのでしょうか?日本に、貧しく家のない人々や家族がいるということを知ると、たいていの外国人はびっくりします。よく働き、優れた製品を作ることで世界中に知られている国民や高い物価と、貧困やホームレスとは、すぐには結びつかないからです。

実を言うと、日々の暮らしにさえ困っている人が、日本には、約百万人もいて、しかもその多くが子供です。しかし、彼らは独りぼっちではありません。今回取材したコズモズ・ジャパンが、援助の手を差し伸べ、現状を変えようと頑張っているからです。

コズモズ・ジャパン

年中無休のNPO慈善団体、コズモズ・ジャパンは、困っている人々を支援するため、いろいろな活動をしています。京都と大阪で運営しているセカンド・ハーベスト・フードバンクもその一つです。フードバンクの目的はただ一つ、食べ物を確保してお腹を空かせた人達に配ることです。目的は一つですが、それを実現するために、コズモズのボランティア達は懸命に働かなければなりません。

日本では2000年から、京都では2004年から、コズモズのメンバー達は販売店やレストラン、工場やスーパーマーケットから食べ物を寄付してもらって、困っている人達へ配っています。コズモズのボランティア達は寄付してもらった食べ物を集めて、配送センターに持っていきます。食べ物はそこで、分けられ包み直されて、たいていは、その日のうちに配達されます。こうして、健康な生活を送るために欠かせないパンやフルーツ、野菜などが、京都や大阪地域の孤児院やホームレスセンター、家庭内暴力からの避難所や老人ホームにコズモズの手で配られているのです。

「貧しさに休みはないのだから、私達も休むわけにはいかない」コズモズの創立者バリー・ワットは言います。「でも、もっと人手があれば、もっとたくさんのことができる」フードバンクはコズモズの活動の一つにすぎません。もし、活動に興味があって、人のために何かをしたり、新しい友人に出会いたいと思っているなら、あなたにもできることが、きっと何なにかあります。コズモズのホームページ(http://www.kozmoz.org)をチェックするか、大手筋商店街の近くにあるコズモズのカフェ(京都市伏見区平野町59−2)に行って活動に参加してみましょう。世界を変えることが、あなたにもできるはずです。

キアラン・グリーン
翻訳:東 馨子(あずま けいこ)

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落語小咄 下駄(げた)

下駄

下駄

以前は多くの日本人が下駄を履いていました。半世紀前に少年であった私も、下駄を履いて近くの銭湯へ通っていました。その頃下駄で天気占いの遊びをしました。「あ〜した天気にな〜れ」と言いながら、履いている下駄を蹴り上げて落ちた下駄の向きで天気を予想するのです。表なら「晴れ」裏なら「雨」という具合です。

ある時、下駄を蹴り上げたら勢い余って二階の部屋へ入ってしまいました。兄の部屋だったので急いで上がって行って見回しましたが、下駄は見当たりません。兄に聞きました。

「兄さん、今下駄が飛び込んで来なかった?」
 「ああ、来たよ。入って来るなりラジオの前へ行って、天気予報を聴いているよ。」

小松 武久(こまつ たけひさ)

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

KYOTO ふれあい講座「はじめてのお茶」

日本文化に触れてみたい人、日本文化を外国人に伝えたい人など、みなさんのご参加をお待ちしています。

茶道具
  • ◆日時:2013年1月8日(火)〜3月26日(火) 12回
  • ◆場所:京都市国際交流会館 kokoka 和風別館
  • ◆料金:(在住外国人)6,000円、(日本人)20,000円
  • ◆申し込み:kokoka窓口(先着順)
  • ◆TEL:075−752−3511

2013年度ボランティアオリエンテーション

あなたも地域の国際化に貢献しませんか?kokoka ホームページからお申込みください。

「いらなくなったらいる人へ」京都市役所前フリーマーケット

  • 場所:河原町御池西北角 京都市役所前広場
  • 日時:12月9日(日)、1月20日(日)午前10時 〜 午後4時
  • 主催:NPOプラスワンネットワーク
  • TEL:075-229-7713
  • http://www.plusone.ne.jp/fm/fm_shiyakusho1.html

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『THE NEW KIMONO FROM VINTAGE STYLE TO EVERYDAY CHIC』

講談社インターナショナル 発行
2011年

THE NEW KIMONO FROM VINTAGE STYLE TO EVERYDAY CHIC

寒い日が続きますが、みなさん風邪はひいていませんか?

年末年始は、日本でも多くの人が街に出かけます。お正月になると着物を着ている人も見かけるはずです。自分で着られたら素敵だと思いませんか??

初めは難しいかもしれませんが、慣れてきたら着物と帯や小物を組み合わせるのが楽しくなってきますよ。 この本では着物の着方はもちろん、普段着物を着ている人の紹介や、着物と帯の合わせ方、小物などの紹介もあります。

見ているだけでもおしゃれで粋な着物の世界をのぞくことができます。

さらに着物のこと

さらに着物のことについて知りたくなったら『きもの THE KIMONO HISTORY & STYLE』を読んでみてください。 七五三や結婚式など日本人が着物を着る行事や、歌舞伎、 能などの伝統芸能、 そして着物の歴史を鮮やかな写真とともに知ることができます。

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今号を作ったボランティアのみなさん

こけし

誌面版編集

東 馨子 / 生田 稔 / ジャンスマ・カール / 鈴木 翔一朗 / 鈴木 秀利 / 関野 雅子 / 瀧井 智子 / 長竹 善伸 / 東田 美優 / 福島 あす伽 / 峰 かおり / 山下 元代 / 梁 珊

WEB版作成

鈴木 秀利

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