山科疎水(やましなそすい)

周 音
中国出身

日本に来て9年の間、ずっと山科疏水(*1)の近くに住んでいました。

来たばかりの時、一番びっくりしたのは、山科区内からどの方向を眺めても、山が見えることです。私の故郷が中国で一番大きい平原(東北平原)にあるため、子供の頃から山を見る機会が少なく、山科での生活が、自分にとってとても新鮮でした。しかし、山科から出る場合、坂道を越えるか、トンネルを通るか、どちらかの行き方しかなく、最初の頃は、山を障害物のように思っていました。けれども、一回山沿いにある疏水の美しさに出会ってからは、目に入る山の景色すべてが好きになってしまいました。

山科疎水

山科疎水

山科の疏水は京都観光の名所です。滋賀県の琵琶湖から引かれた疏水の水は、山沿いにV字型の深い水路を、静かに京都の市内まで流れています。水路の横に歩道があり、両側にたくさんの木が植えられています。

私は、大きな楽しみの一つとして、時間があるときには、すすんで、疏水を散歩しています。森林浴も兼ねることができて、顔に当たるさっぱりしたすがすがしい感覚の中に、植物の間に生まれたひんやりした空気が入り混じります。鼻をつく葉っぱの香り、さらさらと流れる水の音、たまに快く響く鳥の鳴き声に、心が静まり、体も完全に景色になじみます。それで、疲れを忘れ、うっとりとなって、行き先も考えなくなります。運動する人達や観光客の方々など、みんなが愉快なやさしい表情を浮かべながらそばを通り、とても平和で安心できる雰囲気です。ここに来たら、だれでも都市生活の忙しさとストレスを忘れ、間違いなく穏やかになるでしょう。これが自然の不思議なパワーと思いますが、癒やされた私の体験として、本当に心から、この自然を大事にし、この環境を守ってきた人達に深く感謝を述べたいです。

また、山科疏水は私にとって不思議で神秘的です。春になったら、桜が延々と広がっていて、花の海のように混じり、まるで全ての木が桜の木のように思えます。そして、秋になったら、赤く染まった紅葉が広がり、空の果てまでに繋がるようで、全ての木に紅葉が付いているように感じます。桜の木と紅葉の木を交互に植えたと聞いたことがありますが、目で見る限り、さっぱり区別できませんね。同じように、京都のたくさんの観光名所では、春と秋、両方の景色が有名です。この巧みな構想が、日本人らしい繊細さと想像力を最大に表します。この優しい心使いで、山に魔法がかけられたように、美しく神秘的になります。

山科疏水は、秀麗な(*2)山と鮮やかな木を見せてくれて、そしてすでに私の生活の一部分になっているので、京都で一番大好きな景色です。

*1 疏水:水運や発電のために、土地を切り開いてつくった人工水路
*2 秀麗な:すぐれてきれいな

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健康フィエスタ

健康フィエスタ

健康フィエスタ(CHARMのみなさん)

2011年11月26日に(午前11時から午後4時)、「健康フィエスタ」が伏見青少年活動センター(伏見区総合庁舎4階)で開催されます。このイベントの主催者はNPO法人CHARM(Center for Health and Rights of Migrants 移住者の健康と権利の実現を支援する会)と京都市ユースサービス協会です。また、伏見保健センター、京都市国際交流協会、および、京都府国際センターも共催者として関わっています。

このイベントの主な目的は、外国籍住民に理解できる言葉で健康や医療、福祉に関する情報を入手してもらい、診療につなぐための支援です。会場では、健康維持に必要な情報の提供が多言語で行われます。特にHIV/AIDS の感染予防や検査の勧めに関するパンフレットが色々な言葉で用意されています。参加者は、通訳のついた健康相談、一般相談(在留資格、雇用問題、行政窓口での手続きの方法など)を利用します。また、伏見保健センターで、性感染症の検査と胸部レントゲン検査を無料で受けるこどできます。さらに、食堂では健康に良い各国の食べ物が販売されます。

このイベントは外国籍住民にとって重要であるにもかかわらず、あまり知られていません。だからこそ、筆者は外国籍住民の方々に、「健康フィエスタ」へ行って欲しいと思います。

CHARM ホームページ:http://www.charmjapan.com/index.html

渡邊 岳(わたなべ たけし)

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植物園の中にある原生林

なからぎの森

半木(なからぎ)の森


半木神社

半木神社

原生林とは、樹齢200〜1,000年の樹木が多数を占める、生態系として成熟した森林のことです。ところで、皆様は京都府立植物園の中に原生林があることをご存知ですか。

この原生林が「半木(なからぎ)の森」と呼ばれています。「半木」という言葉は「流木(音読みで、「りゅうぼく」)」に由来します。そして、この「流木」という言葉は、昔、西賀茂にあった神社が賀茂川の洪水で流れ出し、その残骸がこの地にとどまったので、その残骸で神社をつくり、天太玉命(あめのふとだまのみこと)を祀ったという伝説に由来するといわれています。この神社が半木神社で、上賀茂神社の境外末社(*1)の一つです。天太玉命は養蚕・絹織物染色業界の守護神であり、また、京都府立植物園の守護神でもあります。

この森は京都府立植物園の北半分を占め、秋には紅葉を楽しむことができます。また、この森は京都の紅葉狩りにおける穴場でもあります。

*1 境外末社(けいがいまつしゃ):境界の外にあり、本社に付属する小さい神社

渡邊 岳(わたなべ たけし)

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鞍馬の火祭

10月22日京都の昼は時代祭り、夜は鞍馬の火祭りが行われます。鞍馬の火祭りは京都3大奇祭(*1)の一つです。鞍馬寺の鎮守社である由岐神社のお祭りです。

集落各所に焚かれた篝火(かがりび)のなかを、氏子(うじこ)が松明(たいまつ)を持つて練り歩いて、神社山門を目指します。午後6時頃から各家庭に積まれた松明に点火され、初めは主に、子供の松明から、その後は大人が大きな松明を担いで、各集落を練り歩いて、午後8時ごろ、大松明が鞍馬山山門にひしめき合い、石段下の一カ所に集められ、焼き捨てられます。

その後、神社から神輿(みこし)が下がるのですが、この参道が急なため、スピードが出ないように若い女性がつなを引いてコントロールします。これにより安産になると言われています。

神輿が降りる際にふんどし姿の青年が担ぎ棒にぶら下がります。これは元服の儀式で、成人の儀式です。この火祭りが行われる鞍馬の地はせまいので、集落内は立ち止まる事が出来ないこともあり、とくに、鞍馬寺山門付近はピーク時には立ち止まることができません。

当日は車は勿論自転車の乗り入れも禁止されます。午後4時頃電車に乗って、(但し見学者が多い場合乗車券の発売が中止の場合もあります)、8時のクライマックスの大松明の焼かれるのを見たら、すぐ電車の駅に向かってください。叡電鞍馬線は2両編成だけです。増発もありますが、待ち時間も長いので、気を付けてください。1時間半は待つものと思ってください。

*1 京都3大奇祭:
 (1) 今宮のやすらい祭 4月第2日曜日 今宮神社
 (2) 太秦の牛祭 10月10日 広隆寺
 (3) 鞍馬の火祭 10月22日 由岐神社

生田 稔(いくた みのる)

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外国人から見たニッポン
  ~ ジョナスさんの体験から ~

日本に暮らす外国人が、日々の生活の中で感じたことについて紹介したいと思います。

今回は日本に約3年住んでいる、スイス人のジョナスさん(26歳)にお話をうかがいました。ジョナスさんは、京都大学博士課程で勉強しています。以下がその内容です。

外国人が日本で生活することの良い面は、まず、日本は世界でも最も安全な国の一つであることです。銀行、チケット販売、あるいはレストランといったようなサービス業に従事する人々と関わるときにはいつでも、少なくとも十分な扱いを受けるでしょう。そして、たいていは格別の扱いを受けます。たとえ語学力が限られていたとしても誰かがそれにつけこむ、という心配はありません。たとえばレストランにおいても必ず正しい食事料金のみが、請求書に記載されているでしょう。このような日本人に深く根付いた正しいふるまいのお蔭で、外国人にとって生活しやすくなっています。

もう一つの日本社会の特質は、他人に対する敬意の精神です。この特質はおそらく全ての外国人に対してよい影響を与えるでしょう。日本に滞在する外国人が、この日本式の他人に対する敬意を学ぶことは、間違いなくその人の人格を豊かにするでしょう。たとえば電車やバスの中では人々は小声で話し、携帯電話をサイレントモードにしているのでいつも快適です。

一方で、議論するということが他人とコミュニケーションをとるときの基本的要素であり、能弁さは性格の長所だとされる社会で育った外国人にとって、日本での生活では、場合によっては激しい議論を交わす、ということが欠けています。日本には、他人との衝突を避けるという原則があるように思います。何故このことが外国人を悩ませるのか、と思う人もいるかもしれません。理由は、その原則が私達外国人にとっても影響が及ぶからです。

外国人が日本の会社や教育機関で働く時には、外国人も年配者の定めた階層的なルールに従わなくてはなりません。これは年齢や勤続年数によって、与えられる責任が決まるということを意味します。このことは、ヨーロッパやほとんどの西洋社会における職場環境と対照的です。結論として、外国人が日本での生活を続ける妨げとなっています。また、効率ということも日本で経験する生活の否定的な特性です。ほとんどの日本人が批判的な意見を述べないことと、年配者の巨大な権力が合わさり、結果として、人々が職場で利用されることになります。私の日本人の友人の多くは朝9時から真夜中まで働くことは普通だと言います。生活の中で仕事を最優先することは、決して本質的には否定的なことではありません。しかし社会生活が無いことはほとんどの外国人にとって耐えられないことです。

私の願いは、日本がグローバル社会に適合するためには、日本の良い特性は守り、挑戦すべき特性は変化、合理化することです。それゆえ、日本の人々が今の生き方を続けたいか続けたくないかに関わらず、日本人は討論(ディベート)するということを始めなくてはなりません。社会がさらに魅力的になれば、もっと多くの外国人が、この美しく平和な国での滞在を延長するでしょう。

以上のジョナスさんのお話について、読者の皆さんはどう思いますがまた、皆さんが日本の生活で疑問に思ったこと、戸惑ったこと、感心したことなどあれば、ぜひ教えて下さい。みなさんの体験談が、同じように日本で生活を送っている他の外国人の方たちの参考になるかもしれません。

インタビュアー:中野 和代(なかの かずよ)
翻訳:瀧井 智子(たきい ともこ)

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クイズ 京都マニア

今回の Life in Kyoto の「私の好きな京都」では、「疏水」のことが紹介されていました。この疏水は、滋賀県の琵琶湖から京都市に通じる水路として作られたものです。琵琶湖から流れてきた疏水は、蹴上のあたりで南北に分かれます。北へ流れていく疏水は、哲学の道から洛北へ流れます。そして、南へ流れていく疏水は、次の4つの区のうち3つを通ります。さて、通らない区はどれでしょうか。

a.左京区 b.東山区 c.南区 d.伏見区

答えは次号で

前回の答え
正解はd.延暦寺。建てられた時期はそれぞれ次のとおりです。
平安神宮:1895年、金閣寺:1397年、銀閣寺:1482年、延暦寺:788年

ぶどう

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kokoka news * * こくさいうりゅういかん ニュース

京都案内倶楽部 ツアーのお知らせ

京都案内倶楽部では、京都に住む外国人の皆さんのために楽しいツアーを実施しています。

まず、11月12日(土曜日)に工場見学を予定しています。宇治にある丸久小山園(まるきゅうこやまえん)という抹茶の工場です。

また、10月にはバーベキューパーティーも予定しています。どちらも、詳しいことはホームページで確認してください。

京都市国際交流協会ホームページ
http://www.kcif.or.jp/

笑笑亭(らふらふてい)英語落語チャリティー寄席のお知らせ

笑笑亭は、東日本大震災の復興支援のために、チャリティー寄席をします。無料です。みなさん、笑笑亭の英語落語を是非聞きに来て下さいね!

◆日時:11月27日(日) 午後2時から4時30分
◆場所:京都市国際交流会館(kokoka) 1階 第1会議室

http://www.kcif.or.jp/jp/jigyo02/cosmos/cosmos-g/cat1055/

外国人のための生活オリエンテーション・交流会

京都に来たばかりの外国人のみなさんが、安心して生活できるように、生活に必要な情報をお知らせします。友達作りのための交流会もあります。無料です。

◆日時:10月16日(日) 午後2時から5時30分
◆場所:京都市国際交流会館 kokoka 3階
◆申し込み:kokokaホームページから
◆TEL:075-752-3511

http://www.kcif.or.jp/jp/jigyo02/ort/

ドイツのエコ・日本のエコ

環境先進国として知られるドイツからやって来たペーターさんは、京都の夏を快適に過ごせるよう、自分で家を建てました。さて、ペーターさんが考える「エコ」のための条件とは? 私たちが考える「エコ」と何か違いがあるのでしょうか。ペーターさんと一緒に考えてみましょう。

◆日時:10月23日(日) 午後11時から12時
◆場所:京都市国際交流会 kokoka 3階ボランティアルーム
◆申し込み:電話またはFAXで(10月1日から受付)
◆TEL:075-752-3511
◆FAX:075-752-3510

国際交流会館オープンデイ2011

万国屋台村、グローバルステージ、大人も子どもも楽しめる世界の文化体験コーナーなど様々なプログラムがあります。震災で改めて認識した世界との「つながり」など、様々な「つながり」を再発見する機会にしていきましょう。

◆日時:11月3日(木・祝) 午前11時から午後4時
◆場所:京都市国際交流会館 kokoka
http://www.kcif.or.jp/jp/jigyo02/openday2011/cat2176/cat2199/index.php#004908

「いらなくなったらいる人へ」京都市役所前フリーマーケット

場所: 河原町御池西北角 京都市役所前広場
日時:11月3日(木・祝)、11月23日(水・祝)午前10時 〜 午後4時
主催: NPOプラスワンネットワーク
TEL: 075-229-7713
http://www.plusone.ne.jp/fm/fm_shiyakusho1.html

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京都市国際交流会館 図書・資料室 としょレター

オススメの一冊

『ディスカバー・ジャパン』

ディスカバー・ジャパン

ロンリープラネット出版
2010年

旅行書と言えばおなじみのロンリープラネットから、新しいシリーズの「ディスカバー・ジャパン」が出ました。

すべてのページに色がついているし、写真もきれいで、地図もとても見やすいです。また、地域ごとに色分けされているので、必要な情報を簡単に探すことができます。そのほか、それぞれの地方の魅力の秘密を地元の専門家たちが教えてくれています。これを読んだら、あなたの旅がもっと良いものになるはずです。

ロンリープラネットは図書・資料室に200冊くらいあります。日本語に訳されたものもあります。旅行書は他にもたくさんあります。手にとって、見てみてください。

オープンデイ

11月3日(木・祝)に開催されるオープンデイで、図書企画「外国人のみなさんからもらうお悩み相談」のパネル展示があります。あなたの日々の悩みを解く手掛かりが見つかるかもしれません!のぞいてみてね。冊子も無料で配布します。

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今号を作ったボランティアのみなさん

誌面版編集

アーサー・デレク / 生田 稔 / 井坂 邦子 / 楠田 彩乃 / 小松 武久 / 鈴木 秀利 / 関野 雅子 / 瀧井 智子 / 長竹 善伸 / 中野 和代 / 萩原 康江 / 湊 雅之 / 山下 元代 / 渡邊 岳

WEB版作成

鈴木 秀利

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